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インドの酸素不足

2021/5/1 6:00

 日本に春夏秋冬の四季が巡るように、インドには乾期、暑期、雨期があり、この5月は暑さの盛り。所によって気温は50度にも達するという。それでも新型コロナは平気なのだろうか▲新規感染者が連日30万人を超え、累計で2千万人に迫りつつある。爆発的な感染拡大により、ベッドの空きを待つ患者を乗せた救急車が病院前に列をなし、あちこちの公園は臨時の火葬場に。苦境を伝える現地発の外電はあまりに切なく、息をのむ▲とりわけ患者の命をつなぐ酸素ボンベが全くないという。家族が猛暑の中を駆けずり回って探し、闇値は高騰する。スズキは自動車生産で使うボンベを医療現場に回そうと現地工場の操業を止める▲国内でワクチンを生産し、国民への接種回数も世界3位の実績を誇るインド。それでも感染が収まらないのは、14億近い総人口を抱え、密度も高いためだろう。さらにウイルスが2度、3度と変異を重ね、ワクチンへの耐性を高めたとみる専門家も▲折も折、米国の火星探査車が、二酸化炭素から酸素を生成する実験に成功した。地球上でも温室効果ガスと酸素とを効率よく交換できないものか。各地の夏の暑さを、ほどほどにするためにも。 

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