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「行ったきり会長」

2021/5/7 6:58

 東京五輪を主催するのは、わが国の首相でも都知事でもなく、国際オリンピック委員会である。したがって開催に異議があるなら、そのIOCのバッハ会長に物申せばいいわけだ▲だからといって、度を越した個人攻撃はいかがなものか。米紙ワシントン・ポストが電子版コラムで「ぼったくり男爵」とこきおろした。どうして男爵と呼ぶかは不明だが、「開催国を食い物にする悪癖がある」とか▲目に余る商業主義は一掃したい。だがその前に、例えば日本と昼夜が逆転する米国でのテレビ視聴を意識して設定された競技日程を、ポスト紙はどう考えるのだろう。そうした議論もせずに、個人批判すれば済む話ではあるまい▲と言いつつ手のひらを返すのだが、小欄は「行ったきり会長」と呼びたい。新型コロナの感染が収まらないのに開催ありきで、後戻りという選択は眼中になさそう。「日本国民には不屈の精神がある」とおだてられても、国民は主催者ではないし…▲そのバッハ会長は17日に来日し、聖火リレー視察のため広島入りする予定だ。しかし、県内でも感染拡大が止まらず、公道でのリレー実施は流動的に。ここはひとまず立ち止まって、来日の延期を。 

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