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決別 金権政治

「被買収議員けじめを」「1億5000万円説明ない」 自民敗北の参院広島再選挙、読者の声【決別 金権政治】

2021/5/9 22:54
再選挙をPRするために広島県庁前に掲示された「だまっとれん。」の看板(4月23日)

再選挙をPRするために広島県庁前に掲示された「だまっとれん。」の看板(4月23日)

 大規模買収事件で有罪が確定した河井案里元参院議員(47)の当選無効に伴い実施された参院広島選挙区の再選挙。「政治とカネ」の問題を考える連載「決別 金権政治」の第6部では「民意の風」と題して、自民党が敗北した背景を報告した。読者からは無料通信アプリLINE(ライン)などで意見が寄せられた。

 ▽歳費返還・改革訴え

 自民党は新人候補を立てて信頼回復を訴えたが、庄原市の公務員男性(61)は「金権政治を変えたいと言っても、現金を受け取った議員を何とかしないと何も変わらない」と強調。河井夫妻から現金を受け取ったとされる地方議員が辞職せず、けじめをつけていない点を指摘した。

 呉市の会社員里谷茂広さん(60)も「被買収者を辞めさせることもできない党から『清き一票を』と言われても、その気にならない」と説明。投票に行かなかったと明かした。呉市の自営業女性(72)は「当事者意識のない古い議員が辞職し、若い風を入れるべきだ」と世代交代を求めた。

 2019年の参院選前に河井夫妻側へ1億5千万円を提供した自民党本部の責任論も。広島市安佐北区の無職男性(71)は「広島県民が謝ってほしいのは安倍晋三前首相、菅義偉首相、二階俊博幹事長」。この3人が再選挙中に広島に入って有権者に説明するよう、自民党県連が求める方法もあったと提言する。

 再選挙は12億円の費用が見込まれる。自民党と連立与党を組む公明党を支持する同市南区のアルバイト女性(50)は「自民党から1億5千万円の説明もなく、再選挙で多額の税金が使われ県民がばかにされているように感じた」と憤る。野党系候補に投票したという。

 選挙戦では自民党と野党系の両候補が、逮捕、起訴されても国会議員に歳費が支払われ、返還の仕組みもない現制度の改革を訴えた。大崎上島町の漁業奥本裕正さん(59)は「コロナ禍で大変な時に河井夫妻に歳費を払っているのはおかしい。早く法案化することが最重要」とつづった。

 広島県選管の掲げたキャッチコピー「だまっとれん。」に共感が広がり、会員制交流サイト(SNS)を中心に盛り上がったが、投票率は33・61%と過去2番目の低さだった。

 「私1人が票を入れても何もならない。そんな無力感が根付いたのかもしれない」と三原市の会社員飯田博昭さん(64)。「自分の意思で投票に行くことが民主主義を正しい方向に保つ」と1票の重要性を訴えた。

 <クリック>参院広島選挙区の再選挙 2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で河井案里氏の当選が無効となったのに伴い、4月25日に投開票され、野党が推す諸派新人でフリーアナウンサーの宮口治子氏(45)が自民党新人で元経済産業省官僚の西田英範氏(39)に競り勝ち初当選した。投票率は33・61%で、19年の参院選より11・06ポイント低下した。

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  •  2019年夏の参院選で河井克行、案里夫妻が100人に計2901万円を配ったとされる買収事件では、選挙に絡んだお金のやり取りが浮き彫りとなりました。令和の時代も変わらない「金権選挙」。皆さんの地域でも耳にしたこと、目にしたことはありませんか。体験、情報、意見をぜひお寄せください。(中国新聞「決別 金権政治」取材班)

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