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「1億5千万円」「被買収議員」「河井夫妻の歳費」 大規模買収事件で浮き彫りになった問題

2021/5/10 14:53
河井克行被告(左)と案里元参院議員

河井克行被告(左)と案里元参院議員

 2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件は、元法相の河井克行被告(58)=公判中=と妻の案里元参院議員(47)=有罪確定=の責任のほかにもさまざまな問題を突き付けている。主な内容は次の通り。

 ■1億5千万円

 自民党本部は参院選前の19年4〜6月、河井夫妻側に計1億5千万円を提供。うち1億2千万円は、税金から支出される政党交付金が原資だった。1億5千万円は、同選挙区で落選した同党現職候補が受け取った10倍に相当。党内からも「不公平だ」と疑問の声が相次いだほか、野党などは「買収の資金に使われたのではないか」などと追及した。

 克行被告は公判で「買収資金に使っていない」と強調。買収資金は「手元資金から出した」と述べたが、具体的な説明は乏しかった。自民党は、関連の資料が検察当局に押収されていることを理由に現時点では説明できないとしている。

 ■「被買収議員」

 河井夫妻から現金を受領したとされる広島県内の政治家は、自民党の県議や広島市議を中心に40人に上る。公選法では現金を受け取った側も被買収罪に問われるが、検察当局は40人の刑事処分をしていない。

 検察当局には、地方議員らに河井夫妻の買収の意図を証言させ、確実に夫妻の有罪判決を取る狙いがあるとみられる。実際、河井夫妻の公判には連日、被買収の議員らが検察側の証人として出廷し、多くが検察側の主張に沿う形で夫妻の買収の意図を感じたと証言。法廷で自らの被買収罪を認めた。

 40人のうち、首長だった3人は全員が辞職したが、残る地方議員の大半が辞職していない。起訴されていないことを理由に職にとどまる議員が多い。市民団体が告発しており、検察当局が起訴するかどうか刑事処分を検討しているとみられる。

 ■河井夫妻の歳費

 克行被告には、20年6月の逮捕後も歳費や手当などで約2460万円が国費から支払われた。案里氏への支給分と合わせると総額は4574万円(3月23日時点)。この間、夫妻は一度も国会に出席していない。国が返還請求するための法規定がなく、専門家は「法改正が必要」と指摘。立憲民主党と公明党で党内議論の動きなどが出ている。

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