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病と笑い

2021/5/13 6:42

 看護師らに笑顔が少ないと嘆く高齢の病院長。笑いのある病院にしようと、院内で趣味の落語の独演会を開くが、迷惑がって誰も来ない…。創作落語「寄席外来」は院長と患者らのやりとりが軽妙で笑いを誘う▲立川らく朝さんの語り口が滑らかだったのは、医師から落語家になった人だからだろう。46歳で立川志らくさんに弟子入り。還暦すぎの6年前、真打ちに昇進する。病気の予防法などを交えた健康落語を開拓してきた▲演目は糖尿病や認知症、生活習慣病などをテーマにする。笑いで免疫力アップを―という願いで創作。動画サイトで幾つか公開されており楽しんだ。コロナ禍でぎすぎすしている今、笑いの効用を見直したい▲病と向き合う職にあっても、笑えない人もいる。日本医師会会長は自民議員の政治資金パーティーに参加。薬局グループの会長夫妻にはワクチン接種枠が確保された。コロナは人に大事なものを見失わせるのだろうか▲著書「笑って生きれば、笑って死ねる」を出したばかりのらく朝さんが亡くなった。本の結びにメッセージがある。コロナで世の中が激変しても最後の切り札として笑いがある、と。おおらかな心持ちを忘れず過ごそう。 

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