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決別 金権政治

大規模買収事件、最大の問題は 1億5000万円「説明ない」 中国新聞社・ヤフーアンケート【決別 金権政治】

2021/5/25 23:02

 ▽自民の責任問う声45%

 元法相の河井克行被告(58)=公判中=と妻の案里元参院議員(47)=有罪確定=による大規模買収事件を巡り、中国新聞社とインターネット検索大手ヤフーが実施したアンケートで、自民党本部が河井夫妻側に提供した1億5千万円の説明責任を果たしていないことが最大の問題と思うとの回答が45・0%に上った。1億5千万円の大半の原資だった政党交付金については78・5%が「見直しが必要」と答えた。

 中国新聞社・ヤフー共同調査の結果

 この事件でさまざまな問題が浮き彫りになった中、アンケートでは何が最も問題と思うかを尋ねた。45・0%が「1億5千万円について自民党本部が説明責任を果たしていないこと」を選択し、最も多かった。

 「法の規定がなく、河井夫妻が逮捕後に受け取った歳費などを返還させられないこと」が23・9%で続き、「検察庁が、河井夫妻からお金を受け取った地方議員の刑事処分をしていないこと」が9・0%、「河井夫妻が有権者に対する説明責任を果たしていない」が8・6%だった。

 事件が起きた2019年の参院選広島選挙区(改選数2)では、自民党から現職の溝手顕正氏と新人の案里氏が立候補。野党系の現職と案里氏が当選し、溝手氏が落選した。

 その後、党本部が溝手陣営に提供した額の10倍に当たる1億5千万円を河井夫妻側に渡していたことが判明。うち1億2千万円は、税金である政党交付金から出ていた。党内外から「不公平だ」「買収の資金になったのではないか」と批判や疑問の声が噴出したが、党本部は、関係資料が検察当局に押収されたことなどを理由に、1億5千万円の決定経緯や使途について具体的な説明をしていない。

 二階俊博幹事長は24日の記者会見で組織決定の責任者は「総裁と幹事長だ」と明言。当時総裁だった安倍晋三前首相と自身に説明責任があるとの認識を示した。

 アンケートの自由記述欄では、1億5千万円を問題視する理由について「税金から支出されているのに、国民に十分な説明責任が果たされていない」「うやむやにしようとする意図をひしひしと感じる」などと、自民党や政権の対応を批判する意見が相次いだ。

 また、政党交付金の見直しが必要と思うかどうかも質問。78・5%が「必要」と答え、「必要ない」は11・9%だった。

 アンケートは全国の18歳以上を対象に12〜18日にインターネット上で実施。3千人から回答を得た。(「決別 金権政治」取材班)

 <クリック>政党交付金 特定の企業や団体との癒着を防ぐため、企業・団体献金の制限と併せて導入された。政党助成法に基づいて1995年度から交付され、国民1人当たりの負担額は年間250円。対象は(1)国会議員5人以上(2)国会議員が1人以上で、かつ前回衆院選、前回参院選、前々回参院選のいずれかで得票率2%以上―のどちらかを満たす政党で、議員数や得票数に応じて交付金を配分する。制度に反対する共産党は受け取っていない。2021年分の総額は約317億円で、自民党には約170億円が配分される。

 【関連記事】有権者に政治不信形成 東北大大学院・河村准教授(政治学)がアンケート結果を分析

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