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「恐怖の昼休み」の理由とは

2021/6/13 6:36

 <今日も大きらいなぶどうパン/見つからないようにかくしちゃえ>。かつてNHKみんなのうたで流れた「恐怖の昼休み」。机の奥の給食のパンはかびて臭って、怒った机が暴れだして―▲いや、恐怖の的は机じゃなく…と言いたい人もいるだろう。当方は机に隠した口だったが、お膳と一緒にぽつんと教室の片隅に座り込む同級生の記憶がある。給食を完食するまで居残りなんて「昭和」の話だろうけど▲と思っていたら「会食恐怖症」を2度特集した本紙くらし面への反響に驚く。令和の今も「完食指導」はあるらしく、大人になると心の傷に▲ある女性は外食に全くなじめず、同窓会などは「もってのほか」。親の不安もひしひし伝わる。苦手な献立の日は腹痛を訴える小3の息子。「赤ちゃんのご飯かというくらいの量」しか受け付けない中3の娘。小食の子に理解が乏しく「残食ゼロ」にこだわる学校の影響だと知る▲編集者むのたけじさんの随筆に仙台市の小学校の話がある。パキスタンの男の子が給食の豚肉を口にできない。その理由をクラスで話し合い、地球儀を囲んで彼に祖国の話を求めたという。完食ならぬ「寛食」という言葉を編み出したくなる。

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