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いつだってブーメランは…

2021/6/18 6:35

 「菅内閣は批判から逃れるために国会を早く閉じ…」「政権の延命しか考えていないのです」。ブログで舌鋒(ぜっぽう)鋭く批判している自民党の衆院議員は、いったい誰?▲ほかでもない現首相の菅義偉氏である。10年前、自民党が下野していた時のことだ。東日本大震災の復興予算が不十分だとして、追加補正の編成と国会の会期延長を当時の菅直人首相に強く迫った。つまり、スガ氏がカン氏に矛先を向けたのだった▲わが身にまるでブーメランのように返ってくるとは、スガ首相も想定外だったに違いない。当時のブログはこう続いている。「総理の指導力に国民の8割近くが不満をもっています」「国難を乗り切るためにも、一刻も早く退陣すべきです」▲その国会はおととい、ネットに不適切な投稿をしたとして、現役の裁判官を弾劾裁判にかけると決めた。罷免が決まれば退職金は支給されず、法曹界からも追放する制度だ。国権の最高機関はそれだけ強い権限を持つ▲「批判から逃れるため」か、会期を延長することなく通常国会は幕を閉じた。当選無効となった議員に歳費を返還させる法改正は、自民党の慎重姿勢で持ち越しに。あすはわが身と思ったのだろうか。

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