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五輪1カ月前の今昔

2021/6/23 6:38

 北海道で折り返した聖火リレーは、きょうから静岡県、東海道に飛ぶ。だが、ワクワク感に火をつけるはずだった「導火線」は、不運にも忘れられたかのようである。開幕1カ月前に、これほど不振をかこつとは▲57年前にあった前回の東京五輪では聖火リレーを始めた日が1カ月前だった。その日、本欄が取り上げた話題は「交通戦争」。マイカーブームで犠牲者が毎年1万人台に乗り、交通禍の方がよほど関心事だったようだ▲他の紙面も意外なほど、お祭りムードはうかがえない。むしろ戦後の影に気付く。沿道で日の丸の小旗が打ち振られる聖火リレーの光景に、同じようにして戦場に送った戦時の行列がよみがえったと書く記者までいた▲半世紀ほど時計の針が進んだ今回は、新型コロナ禍という暗雲が垂れ込めている。犠牲者も時々刻々、増えている。米国の大学によると、死亡者数の累計は世界全体で、きのう午後の時点で390万人に迫りつつある▲五輪の開会式まで残り30日。あと62日でパラリンピックも開幕を迎える。残日計が進めば、期待も高まってくるだろうか。感染を巡る、選手のヤキモキ、ハラハラの種はせめて取り除いてやりたいものだが。 

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