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江田五月株

2021/7/30 6:00

 新型コロナは感染爆発と呼んでもおかしくないのに、株価は値崩れしないどころか、きのうの東京市場の終値は1年前に比べると5千円も上げている。どうしてこうなるのか、素人目には訳が分からない▲28日死去した元参院議長の江田五月氏も、千円から1万円株まで4種類の株券を発行していたという。ただしこれは選挙資金をカンパした市民への領収書。参院議員から転じた1983年の衆院選では、この株券で締めて1千万円を調達したそうだ▲40年近くにわたり、市民政治を信条に掲げ、戦後リベラル派きっての優等生と呼ばれた。それもそのはず。岡山県知事選で涙をのんだほかは、国政選挙で一度も負けなし。「江田五月株」に象徴されるように、常に幅広い市民が政治活動を支えた▲三権の長である参院議長を辞した後に、民主党政権で法相に就任。8カ月近い在任中には、死刑を一度も執行しなかった。警察・検察の取り調べの可視化を推進したのも、人権問題をライフワークにした江田氏らしい▲自腹を切って政治や選挙に「投資」する個人がもっと増えれば、関心は確実に高まるだろう。願わくは、将来有望株と期待される政治家が増えんことを。

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