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ダイアナ妃のケーキ

2021/8/2 6:00

 数段重ねが英国王室の伝統だそうだ。ちょうど10年前、ウィリアム王子の披露宴で登場したのは8段重ね、高さ1メートル近いウエディングケーキだった。会場のバッキンガム宮殿に台車で運び込む際、ドアをいったん取り外したほどの大きさだった▲亡き母のダイアナ妃の時は一回り大きかった。5段重ねで高さは1・5メートルほど。「世紀の結婚式」として国際的にも注目されただけあって、ケーキも華やかだったのだろう。その一部が来週、競売にかけられるという▲20センチ四方ほどの一片を王室で働いていた人が大事に保存していた。あしらわれた王室の紋章も色鮮やかで、見た目は前と同じらしい。それでも、40年前のケーキだから味わうわけにはいくまいが▲数年なら保存が利くそうだ。実際、ウィリアム王子は3人の子どもたちの洗礼式に参加した人に、保管しておいた自身のウエディングケーキを振る舞った。最上段は残しておき洗礼式で食べるのも王室の伝統のようだ▲ダイアナさんが生きていれば今夏、60歳を迎えていた。伝統を守る息子への感謝か、華やかな日々のはかなさか―。ウエディングケーキが競売されると聞いたら、思い浮かべるのはどっちだろうか。

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