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五輪のメダルとSNS

2021/8/5 7:00

 熱戦と感動のシーンを見せてくれる東京五輪。ところが大会を巡る発信はおかしな熱を帯びる。SNS(会員制交流サイト)に渦巻く誹謗(ひぼう)中傷のことだ。期待を裏切った選手のほかメダリストにまで容赦なく浴びせられている▲採点への不満が高じ、人格否定や差別発言まで。メダルを競った相手の母国から届くものもあるという。自国の選手に色のよいメダルを取らせたい思いが屈折、暴走したか。五輪をナショナリズムで染めてはならない▲メダルしか眼中にない国のトップも、たちが悪い。「数」に不満のベラルーシ大統領は選手やコーチに脅しめいた言葉を発した。震え上がったのか、コーチが女子陸上選手の出場種目を勝手に変更。当の選手がSNSで批判すると帰国を命じられた▲「帰ったら投獄される」。身の危険を感じて亡命を望んだ選手は、ポーランドへ無事出国。選手はメダルを取ってなんぼ―。そんな国があるとは。首相が金メダリストに「お祝いツイート」をする国はまだましな方か▲だが色で差をつけたか「祝電」は金限定。他の選手は眼中にないようだ。「そんな発信をする暇があるなら、コロナ対策を」。まっとうな熱を帯びた批判もある。 

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