「原爆の日」特集

菅義偉首相あいさつ

2021ヒロシマ2021/8/6 8:38
平和記念式典のあいさつで「黒い雨」訴訟についても言及した菅首相(6日午前8時32分)

平和記念式典のあいさつで「黒い雨」訴訟についても言及した菅首相(6日午前8時32分)

 本日、被爆76周年の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が執り行われるに当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠をささげます。

 そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。世界は今も新型コロナウイルス感染症という試練に直面し、この試練に打ち勝つための奮闘が続いております。

 我(わ)が国においても、全国的な感染拡大が続いておりますが、何としても、この感染症を克服し、一日も早く安心とにぎわいのある日常を取り戻せるよう、全力を尽くしてまいります。

 今から76年前、1発の原子爆弾の投下によって、十数万とも言われる貴い命が奪われ、広島は一瞬にして焦土と化しました。

 しかし、その後の市民の皆さまのたゆみない御努力により、廃虚から見事に復興を遂げた広島の美しい街を前にした時、現在の試練を乗り越える決意を新たにするとともに、改めて平和の尊さに思いを致しています。

 広島および長崎への原爆投下から75年を迎えた昨年、私の総理就任から間もなく開催された国連総会の場で、「ヒロシマ、ナガサキが繰り返されてはならない。この決意を胸に、日本は非核三原則を堅持しつつ、核兵器のない世界の実現に向けて力を尽くします」と世界に発信しました。我(わ)が国は、核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、「核兵器のない世界」の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要です。

 近年の国際的な安全保障環境は厳しく(※下線部は、首相が読み飛ばした部分)、核軍縮の進め方を巡っては、各国の立場に隔たりがあります。このような状況の下で核軍縮を進めていくためには、さまざまな場の国々の間を橋渡ししながら、現実的な取り組みを粘り強く進めていく必要があります。

 特に、国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石である核兵器不拡散条約体制の維持・強化が必要です。日本政府としては、次回NPT運用検討会議において意義ある成果を収めるべく、各国が共に取り組むことのできる共通の基盤となり得る具体的措置を見いだす努力を、核軍縮に関する「賢人会議」の議論等の成果も活用しながら、引き続き粘り強く続けてまいります。

 被爆の実相に関する正確な認識を持つことは、核軍縮に向けたあらゆる取り組みのスタートです。我が国は、被爆者の方々をはじめとして、核兵器のない世界の実現を願う多くの方々とともに、核兵器使用の非人道性に対する正確な認識を継承し、被爆の実相を伝える取り組みを引き続き積極的に行ってまいります。

 被爆者の方々に対しましては、保健、医療、福祉にわたる支援の必要性をしっかりと受け止め、高齢化が進む被爆者の方々に寄り添いながら、今後とも、総合的な援護施策を推進してまいります。

 先月14日に判決が行われました、いわゆる「黒い雨」訴訟につきましては、私自身、熟慮に熟慮を重ね、被爆者援護法の理念に立ち返って、上告を行わないことといたしました。84名の原告の皆さまには、本日までに、手帳交付の手続きは完了しており、また、原告の皆さまと同じような事情にあった方々についても、救済できるよう早急に検討を進めてまいります。

 今や、国際平和文化都市として、見事に発展を遂げられた、ここ広島市において、核兵器のない世界と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げます。原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆さま、ならびに、参列者、広島市民の皆さまのご平安を祈念いたしまして、私のあいさつといたします。

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