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天満屋八丁堀ビル、ネオン塔や屋上遊園地 懐かしの姿

2021/8/16

 広島市中心部、中区胡町の天満屋八丁堀ビルには解体の計画がある。いまは家電量販店などが入る複合商業ビルだが、長らく百貨店だった場所だ。関連ニュースを伝えるたび、会員制交流サイト(SNS)かいわいには往時を懐かしみ、故郷の変貌を惜しむ声が広がる。(奥田美奈子)

 ▽1980年、百貨店の隆盛物語る1枚

百貨店が並ぶ広島市中心部。手前から三越、天満屋、福屋。天満屋の屋上にはシンボルタワーが見える(1980年)

百貨店が並ぶ広島市中心部。手前から三越、天満屋、福屋。天満屋の屋上にはシンボルタワーが見える(1980年)

 1980年の胡町一帯をとらえた1枚は、百貨店の隆盛を物語るようだ。相生通り沿いに手前から三越、天満屋、福屋と三つの百貨店が並んでいる。さらに約500メートル先には、そごうも店を構え、全国有数の激戦区だった。
百貨店や量販店が密集する広島市中心部(1975年)

百貨店や量販店が密集する広島市中心部(1975年)

 天満屋八丁堀ビルの屋上付近に注目したい。いまと異なる光景がある。山紋に「天」を組み合わせたロゴマーク上に、高さ約29メートルの「シンボルタワー」がそびえる。1973年の設置後、しばらくは約1キロ離れたJR広島駅からも見えたという。1998年に撤去された。

 ▽ロケット形のネオン塔、注目の的

 シンボルタワーと聞き、別の形を思い浮かべた方がおられるかもしれない。天満屋は1954年、別の百貨店を引き継ぐ形で開店し、翌55年に新装オープンした。その屋上にはロケット形のネオン塔があり、市民の注目の的だった。オープン前夜、明かりをともしたビルを写した1枚が残っていた。

新築したばかりの天満屋。屋上にはロケット形のネオン塔や観覧車が見える(1955年)

新築したばかりの天満屋。屋上にはロケット形のネオン塔や観覧車が見える(1955年)

 夜空に輝くネオン塔。傍らには屋上遊園地の観覧車が見える。地上では、立派なアーケードが建物をぐるりと囲う。当時の記事や新聞広告によると地上5階・地下1階で、中四国地方では初めてエスカレーターを備えた。
新築開店を伝える天満屋の新聞広告(1955年)

新築開店を伝える天満屋の新聞広告(1955年)

 ビルはこの後、増改築を繰り返し、いまの姿に至る。古い耐震基準で建てられているため、解体される。ただ時期は未定。市中心部の再開発が活発になる中、跡地利用の行方にも関心が集まっている。→【写真集】タイムスリップ天満屋八丁堀店 1956〜73
2012年3月に閉店した天満屋八丁堀店。58年の歴史に幕を下ろした

2012年3月に閉店した天満屋八丁堀店。58年の歴史に幕を下ろした

書店や家電量販店が入る天満屋八丁堀ビル(2020年)

書店や家電量販店が入る天満屋八丁堀ビル(2020年)

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