コラム・連載・特集

福山市内でコロナ感染急増なぜ? 岡山県での拡大が一因か【こちら編集局です あなたの声から】

2021/8/19 21:33

 福山市で新型コロナウイルスの感染者がかつてない勢いで増えている。人口10万人当たりの感染者数は国のステージ4(爆発的感染拡大)の指標の約2・6倍となり、県内の市町で突出。「急に増えたので不安」という声が読者から届いた。同市で感染が急拡大した背景には何があるのか。感染を広げないため、身の回りでできることも整理した。

 ▽抑え込みへ慎重な行動を

 広島県によると、18日まで直近1週間の市内の感染者は311人。人口10万人当たり66・3人で、国が定めるステージ4の指標「25人」の約2・6倍に上る。県全体の48・6人より多く、20日から新型コロナのまん延防止等重点措置が適用される県内12市町でトップだ。

 なぜ福山市が突出しているのか。市内の医療関係者たちは、岡山県内の感染拡大が一因とみる。「岡山県は生活圏。大阪など関西の大きな感染の波が西方向へとしみ出しているのではないか」と指摘する。

 市内でこれまでに確認された感染の主な傾向は―。市によると、市外から帰省した人が家族などに感染を広げるケースが目立つ。市内の飲食店や自宅での会食、屋外でのバーベキューなど飲食がきっかけとみられるケースも多いという。感染者に若者が増えているのも特徴だ。

 以前の感染拡大期は、病院や企業内で濃厚接触者や接触者に感染が広がる傾向があった。今回も飲食店や美容院でのクラスター(感染者集団)は起きているが、市中感染が主流になっている。枝広直幹市長は17日の記者会見で感染経路不明の割合が増えている点などに触れ、「追跡調査による封じ込めが難しくなっている。調査自体もマンパワーの限界に近づいている」と危機感を示した。

 こうした状況の中、どのような点に注意すればよいのだろうか。市感染症対策監の田中知徳(さとのり)保健所長は市中での感染リスクは高いとし、「より細心の注意が必要」と強調。「帰宅後の手洗いや消毒のほか、マスク着用や3密の回避といった基本的な対策をしっかり取ってほしい」と呼び掛ける。

 市医師会の児玉雅治会長は、検査でいったん陰性になった後に感染が分かるケースも多いと指摘。「検査が陰性でも感染していない証明にはならない。何らかの症状がある人や感染者と接触した人は感染を疑いながら行動を」と訴える。

 市内では今、日中や夜間の外出機会の削減に向けた取り組みが進む。市は既に主催イベントを中止。図書館やプールといった公共施設の利用も停止した。まん延防止等重点措置の対象区域となる20日から9月12日までは飲食店などに酒類の提供停止といったより踏み込んだ措置が求められ、商業施設や映画館など大規模施設の時短の要請も強化される。市は改めて飲食店や商業施設に感染対策の徹底も呼び掛けるという。

 病床の逼迫(ひっぱく)の懸念も高まる中、どれだけ感染を抑え込めるかが日常を取り戻すために欠かせない。そうした意識を一人一人が高め、より慎重に行動する必要がある。(門戸隆彦) 

この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 「こちら編集局です あなたの声から」では、みなさんが日ごろ「なぜ?」「おかしい」と感じている疑問やお困りごとなどを募っています。その「声」を糸口に、記者が取材し、記事を通じて実態や話題に迫ります。以下のいずれかの方法で、ご要望や情報をお寄せください。

  • LINE公式アカウント

    LINE友だち登録またはQRコードから友だちになってトークをしてください
  • 郵送

    〒730-8677
    広島市中区土橋町7-1
    中国新聞社
    「こちら編集局です」係

    ファクス

    中国新聞編集局
    「こちら編集局です」係
    082-236-2321
  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

こちら編集局です あなたの声からの最新記事
一覧

 あなたにおすすめの記事

パートナー社

  • 中国新聞「こちら編集局です あなたの声から」は、双方向型の調査報道に取り組む全国のパートナー社と連携協定を結んでいます。記事をお互いの紙面やウェブサイトに掲載したり、情報の取り扱いを十分に注意した上で取材・調査テーマを共有したりします。地域に根を張るローカルメディアがつながり、より深く真相に迫っていきます。

北海道新聞 東奥日報 岩手日報 河北新報 新潟日報 東京新聞 信濃毎日新聞 中日新聞東海本社 岐阜新聞 京都新聞 神戸新聞 まいどなニュース 徳島新聞 西日本新聞 琉球新報