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ワクチン接種率、若年層なぜ低い?10〜30代に聞くと…打ちたいのに予約狭き門【こちら編集局です】

2021/9/1 23:14

 ▽「仕事・子育てに影響」

 新型コロナウイルスのワクチン接種率が若年層で低い。なぜなのか―。こちら編集局のLINE(ライン)に登録する10〜30代に意見を聞くと、「打ちたいのに、予約できない」と嘆きの声が多数寄せられた。かかりつけ医はなく、インターネット予約は狭き門、子を家に置いて集団接種へ行きにくい…。若者や子育て世代の複雑な事情がハードルとなっているようだ。

 7月31日に一般向けの予約が始まった広島市。2回目の接種率は、8月30日時点で、60〜64歳44・7%▽50代29・6%▽40代21・3%▽30代15・9%▽20代14・6%▽12〜19歳8・8%―。若くなるにつれ、接種率は低くなる。

 「インターネットの予約枠はいっぱい。かかりつけではないと病院に断られ…。接種したくても、できない」。安佐北区の30代の女性は憤る。若者は、かかりつけ医を持たず、集団接種の枠を頼りにする人が多い。「家族総出で電話をかけても無理」と、やきもきする意見が目立つ。

 同市の集団接種会場が予約できるのは20日先まで。毎日午前0時に新たな1日分の枠が更新されるが、予約を取るのは難しい。「どこで今、予約が取れるのかリアルタイムに分かる仕組みが欲しい」「予約のため何日もスマホを見ている。予約なしで接種できる会場があれば」との意見は多い。

 若手社員や子育て世代特有の事情もある。「副反応が出ても休みづらいので検討中」「夏休み中の小さい子どもを置いて行けず、予約を9月下旬に遅らせた」との声もあった。

 感染力の強いデルタ株の広がりで、危機感を覚える若者層は増えている。一方で、発熱や倦怠(けんたい)感などの副反応を恐れる人も多い。ワクチン接種後に死亡した例を知り、12歳の娘の予約をキャンセルしたという母親もいた。

 ただ、ほとんどの副反応は免疫をつくるのに正常な反応で、数日で回復する。厚生労働省は「ワクチン接種が原因で、何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていない」とする。広島大病院感染症科の大毛宏喜教授は「若くても、倦怠感や味覚・嗅覚障害、脱毛などのコロナの後遺症がある人はいる。周囲を守るためにも、打てる人は打ってほしい」と話している。

 「若者が感染を拡大している」という世間の風潮への反論も複数寄せられた。東区の団体職員女性(36)は「若者の接種率が低いのは、これまで高齢者を優先した結果」と指摘。中区の大学生女性(19)は「若者は弱い立場」と訴える。「友達とも会えず、授業もオンライン。なのに若者が感染拡大の原因と言われると頭にくる。若者が敵じゃない。一つのラベルに鬱憤(うっぷん)をぶつける分断が敵だ」(高本友子) 

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