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プラ・資源ごみ、エコな捨て方は? 汚れや異物さっと除去【こちら編集局です あなたの声から】

2021/9/3 19:40

 ▽食品トレーは店頭回収へ

 弁当などのプラスチックごみの汚れはどれくらい除去したらいいのか。資源ごみの段ボールなどに付いたテープは剥がした方がいいのか―。ごみの正しい分け方について、編集局に広島市安佐南区の主婦(34)から疑問の声が寄せられた。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に多くの人の関心が集まる中、環境保護へつながるごみの分別法を、3人の子どもに教えたいという。専門家や市の担当者に聞いて調べた。

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 ごみの分別の仕方は自治体によって違う。無料通信アプリLINE(ライン)で疑問を寄せてくれた水永沙織さんの住む広島市は、ごみを「可燃ごみ」「不燃ごみ」「資源ごみ」など8分類で収集している。

 うち、プラスチックごみは商品の容器や包装材、袋などの「リサイクルプラ」と、おもちゃやビニール製のかばん、靴などが対象の「その他プラ」、「ペットボトル」がある。水永さんはリサイクルプラについて「汚れた容器は洗って出す決まりだが、水や洗剤で洗うのはエコなのか。どのくらいきれいにしたらいいのか」と長年悩んできた。

 特に油のボトルや調味料の小袋などは汚れを取り除きにくい。完全に落ちない場合は可燃ごみにした方がいいのかな、と日々迷う。

 廃棄物問題に詳しい広島修道大(広島市安佐南区)人間環境学部の羅星仁(ナソンイン)教授(環境経済学)は「さっと流したり拭いたりして汚れを取り、それでも残る場合は可燃ごみにしていいのではないか」との見解を示す。水も資源で、下水に汚れや洗剤を流すのも環境には良くないとの指摘だ。汚れを完全には取り除きにくい調味料の袋などは、大局的に見ると可燃ごみにした方がいいと考えているという。

 羅教授は「一番良いのは、プラスチックをなるべく使わないこと。不要なものは買ったり、もらったりせず、繰り返し使えるものを選ぶよう心掛けてほしい」と求めている。

 市環境局によると、どれくらい汚れを取り除く必要があるかどうかの基準は一律には定めておらず、「さっと洗ったり、拭き取ったりしてもらえれば十分だと考えている」とする。回収後、一定以上に汚れが残っているごみは作業員が手作業で取り、可燃ごみにする。きれいなものは、業者でパレットやプランターなどプラスチック製品に生まれ変わるほか、化学工業の原材料になる。

 プラスチックごみについての水永さんのもう一つの長年の疑問は、食品トレーは「市の回収と、スーパーどちらに出すべきか」だ。これについて、市は牛乳パックなども含め、できるだけスーパーなどの店頭回収を利用するよう勧めている。特にトレーは各店がメーカーと連携し、新しいトレーに作り替える循環ができているからだ。

 広島県内を中心にスーパー63店を運営するフレスタ(広島市)は、月に9千キロほどを集める。年間使用量に対する回収率は4割ほどという。東雲店店長の植野亮さん(46)は「週末は回収用の袋の交換が追いつかないほど。年々、お客さんの意識が高まっている」と実感する。同店など6店は、古紙やペットボトルを持ち込むと、買い物に使えるポイントを付与する制度を導入している。

 水永さんがもう一つ気になっているのが、紙や段ボールなどの資源ごみの取り扱いだ。長男の純さん(7)は工作好きで、段ボールや紙をテープでつなぎ合わせた作品づくりに夢中だ。しばらく遊んで飽きたら一緒に捨てる。「テープが付いた紙は資源ごみになるのか」と不安を感じている。

 広島市によると、紙ごみに付いたテープは異物になる。そのまま回収できるが、再生紙にする過程でトラブルになりやすいため、剥がしてある方が望ましいという。

 水永さんに、市などの回答を伝えたところ「汚れたものをリサイクルプラに入れないようにするなどして、無理なく分別を続けていきたい」と話していた。

 ごみの分別は、誰もが実践しやすいエコ活動だ。分別の仕方は自治体によって違いがあり、分かりにくいこともある。市町村の担当部署に尋ねたり、ホームページで確認したりしながら、それぞれができる限り進めていきたい。(赤江裕紀)

この記事の写真

  • 広島市のごみ出しハンドブックで、分別法を調べる水永さん親子=広島市安佐南区(撮影・田中慎二)
  • フレスタ東雲店で集まったトレーを確認する植野店長

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

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