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バブル以来の株高値

2021/9/16 6:45

 住宅は住むためのもので投機対象ではない―。中国政府は不動産バブルの沈静化に躍起という。バブルに乗って成長した不動産大手、中国恒大集団が経営危機に。政府も気が気でないのだろう▲コロナの感染拡大を封じ込めて経済回復を見せる大国に比べ、こちらはいまだに緊急事態宣言下。とはいえなぜか株価はぐんぐん伸びてきた。おととい東証の終値がバブル崩壊後の最高値を更新した。実に31年ぶりだ▲背景にコロナ新規感染者の減少がありそう。だが海外投資家は、首相の退陣表明を機に日本株に注目したらしい。次の首相の経済対策への期待感を挙げる専門家も。コロナ対策と経済回復に注力した首相が去ると決まるや、株価が急上昇するとは何と皮肉なことか▲しかし社会情勢はバブル期と全く異なっている。コロナによる業績悪化で電通やJTBといった大企業が東京本社ビルの売却を決めている。テレワークなどが広がり、本社機能を首都圏から地方へと移す企業も相次ぐ▲株が高値と聞いても、実感できない人が多いだろう。住む人や営む店主が去り、空き家になった不動産は近所にも目立つ。株高が巡り巡って、地方再生に結びついてくれないものか。 

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