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未来を先取りする「どうして」

2021/9/17 6:31

 「どうして」に大人たちが頭をひねる。子ども科学相談にインターネット版が現れ、評判だという。NHKラジオの長寿番組「子ども科学電話相談」がこの夏、東京五輪のあおりで1度しか放送されず、代役を買って出たと聞く▲その道に明るい研究者をあたふたさせ、本家本元にも引けを取らない。5歳の質問は「ドーナツの穴は1個? 僕は上から見たのと下からとで2個だと思う」。何と幾何学や情報科学ではどちらも間違いでないという▲4歳児の問いも興味を誘うものだった。「ムンクは何で、オォ〜ってしてるんですか」。代名詞といえる作品「叫び」のことだろう。確かに大きく口を開け、両手を耳に当てている▲回答をかいつまんで書くと、ムンクは言葉にならない心模様を絵で伝えたかったようだ。叫んでいるのは、むしろ世界の方らしい。4歳の心にもコロナ禍が影を落としているのだろうか▲あの名画は、「核のごみ」の墓場に人を近づけぬため、北欧で立ち入り禁止マークの候補に挙がったことがある。放射線量の落ち着く10万年先まで代々、人類がひと目で危険だと分かるように。まるで未来人が不思議がるような「どうして」に驚かされる。

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