コラム・連載・特集

決別 金権政治

1億5000万円、買収原資否定しきれず 河井夫妻の収支報告【決別 金権政治】

2021/9/24 23:25

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、広島県選管は24日、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(一審実刑、控訴)と妻の案里元参院議員(有罪確定)がそれぞれ支部長だった自民党支部の19年分の政治資金収支報告書と政党交付金使途等報告書の訂正版を公開した。1億5千万円が「買収資金になっていない」とする自民党本部の説明を完全には証明できておらず、党本部はあらためて説明を求められそうだ。

【関連】自民党は「買収の資金になっていない」と否定

 公開されたのは、克行被告の「自民党広島県第三選挙区支部」と案里氏の「自民党広島県参院選挙区第七支部」の各報告書。それによると、党本部は交付金名目で、4〜6月に第七支部へ計7500万円を、6月に第三支部へ計7500万円を提供した。第三支部は同時期に、第七支部へ7470万円を供与していた。

 第七支部は、事務所費やポスター印刷代などのほかに、人件費2574万円を支出していた。ただ県選管によると、人件費の記載には領収書が必要ないため、詳細は分からないという。

 東京地裁での克行被告の公判で、検察側は今年2月、1億5千万円の一部を案里氏の陣営スタッフ3人の報酬に充て、第七支部の人件費として計上したとする選挙事務所の会計担当者の供述調書を読み上げた。東京地裁は6月の判決で、この3人への報酬を買収と認定。報告書は、人件費として運動員買収に使われた可能性をなお否定できない内容となっている。

 一方、両支部の収支報告書には、事件でお金を受け取ったとされる地方政治家たち「被買収者」の政治団体への支出は、記載されていなかった。

 河井夫妻側は「関係資料を検察当局に押収された」として多くの部分を「不明」と記載した報告書を昨年、提出していたが、資料が返還されたとして今月22日に訂正を届け出た。克行被告の第三支部の収入は1億2730万円、支出は1億2240万円、案里氏の第七支部の収入は2億2113万円、支出は2億1585万円だった。(河野揚)

【関連記事】

「金権選挙」の闇晴れず 買収の原資、より問われる形に

菅首相、説明せぬまま辞めるのか

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

決別 金権政治の最新記事
一覧

  •  2019年夏の参院選で河井克行、案里夫妻が100人に計2901万円を配ったとされる買収事件では、選挙に絡んだお金のやり取りが浮き彫りとなりました。令和の時代も変わらない「金権選挙」。皆さんの地域でも耳にしたこと、目にしたことはありませんか。体験、情報、意見をぜひお寄せください。(中国新聞「決別 金権政治」取材班)

  • LINE公式アカウント

    LINE友だち登録またはQRコードから友だちになってトークをしてください

    専用フォーム

    こちらから投稿ください
  • 郵送

    〒730-8677
    広島市中区土橋町7-1
    中国新聞編集局
    「決別 金権政治」取材班

    ファクス

    中国新聞編集局
    「決別 金権政治」取材班
    082-236-2321

 あなたにおすすめの記事