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いつの間にか党員・党友―

2021/9/27 6:48

 「甲子園の土」なるものがネット上で取引されていると、以前、小欄で突っ込みを入れた。それが、このたびは「投票用紙」である。こともあろうに、連日テレビで4人衆が顔をそろえる自民党総裁選のものだった▲党員でしたが、政治に興味がなくなり、お譲りします―。そう書き込みがあり「チケット」として出品されていたと報じられた。さすがに、党員・党友だけの権利だよ、情けない―などと難じるコメントも。実際に取引があったのかどうか気になる▲投票用紙が勝手に届いた人もいるようだ。党員・党友でもないのになぜ、と大阪市内の女性はつぶやく。調べると確かに入党届け出は存在したが、覚えがないという▲総裁選は1回目の投票では決着がつかず、上位2人の決選投票にもつれ込む見通しだ。頭一つ抜け出した候補者がいるとはいえ、合従連衡が読めないため、余計ヒートしている。党員獲得の実態もあらわになり、新総裁の仕事が一つ増える気もする▲〈わが国の有権者の多数はまだ自分の一票に憲政を活殺する程の力があることを知らない〉。「憲政の神様」尾崎行雄の晩年の直言である。「有権者」を「自民党員・党友」に置き換えてみる。

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