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「陸上部。緊急事態宣言延長で引退試合が中止に」 大会開催判断なぜ割れる【こちら編集局です あなたの声から】

2021/9/28 20:47
コロナ禍で部活動の時間が制限されたため、自宅の近くで練習を重ねる生徒

コロナ禍で部活動の時間が制限されたため、自宅の近くで練習を重ねる生徒

 「陸上部に所属しています。今月半ば、広島県への緊急事態宣言が延長され、引退試合の広島市中学総体が中止になりました。でも宣言中も高校生の大会はあった。なぜ?」。安佐南区の中学3年の男子生徒(15)が編集局にLINE(ライン)で疑問の声を寄せた。新型コロナウイルス禍で、中止は仕方がなかったのかもしれない。しかし「東京五輪は開催したのに」。生徒たちは割り切れなさを感じている。どんな背景で地元の大会の開催可否が決まったのだろう。

 生徒は1年から陸上部に入り、800メートルなど2種目で努力を重ねてきた。今月18、19日にエディオンスタジアム広島(安佐南区)で予定されていた、市総体で好タイムを出すことが目標だった。だが9日に県への宣言が月末まで延長すると決まり大会は中止に。「先輩と一緒に走りたかった」という後輩の言葉に胸がつまったという。

 大会を主催する市中学校体育連盟(市中体連)に背景を聞くと、中学生への感染が広がっていた中で「苦渋の決断」だったと話す。

 宣言中、市教委や県教委は部活動の休止を各校に要請。市中体連は、大会の開催基準を設けず、柔軟に対応する方針だった。ただ大会を催すと、移動を伴うため生徒たちに感染リスクを負わせることになる。共に主催する市教委と相談し、陸上やサッカー、柔道など計5競技の大会が中止となったという。

 延期はできなかったのだろうか。市中体連は「一斉に延期すると施設の空きがない。特定の大会だけすることはできない」と、理解を求めた。

 ▽全国などに続く予選は開催

 一方で、中学生でも別の競技団体の主催で、中国、全国大会へ続く予選会などは一部で開かれた。複数の団体に聞くと、宣言が出ていない地域との公平性の観点などから、上位大会に続く予選会は、宣言中でも開かれたという。

 県高校体育連盟も、中国、全国大会に続く公式戦の予選会など要件を満たす大会は開催すると決めた。高校生の場合は上位大会に続く予選会が多い。このため、中学の大会は中止が目立ち、高校は開催が多いように見られたようだ。

 取材の結果を、生徒に伝えた。「中学で辞める人もいるし、上の大会を目指すだけが部活じゃない。東京五輪はやったのに…。やっぱり結果を出す場が欲しかった」と悔しがる。「最後の最後も、不完全燃焼。やりきれない」

 大人たちは最後まで大会開催を検討してくれた、とも思う。コロナ対策として必要な措置だったのかもしれない。「でも、子どもたちの悔しさは、知っておいてほしいです」。高校でも陸上は続けたいという。(高本友子) 

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