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解散にネーミングありき

2021/10/15 6:33

 「初めに名前ありき」が宣伝の世界だという。そんな一文が、業界人らでつくる日本ネーミング協会のサイトに見える。名が付いて初めて、モノにもコトにも命が吹き込まれ、伝わる。命名と言うがごとし、である▲きのう衆院が解散となり、事実上の選挙戦に入った。1票をつかむ公約は何か。与野党のネーミング合戦にも力が入る。「新自由主義からの転換」「1億総中流社会の復活」…。任期満了が間近の駆け込み解散で、取っ換え引っ換えの気配もあるが▲今回の解散を名付けるなら? 東京と岐阜の地元紙がそれぞれ、読者に尋ねた集計を報じていた。〈コロナ解散〉の多さは予想通りだが、〈今のうち解散〉や〈ご祝儀解散〉も双方で挙がっている。有権者は冷静に構えている▲本来ならば、前回衆院選から4年間の「議員の通信簿」であるからだろう。安倍・菅政権の影が差す新政権の背景を踏まえ、〈菅政権忘れ物解散〉のネーミングもある。本紙読者の皆さんは、どんな案が浮かぶだろう▲コロナ禍で息苦しく、さえない日々が続く。酸欠状態の日本社会に、命の酸素を吹き込んでくれるような、せめて〈空気入れ替え解散〉であってくれないものか。

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