コラム・連載・特集

不動産、富動産、負動産

2021/10/26 6:39

 「中国、不動産税を試行」。おとといの本紙の見出しに、首をかしげた人もいただろう。かの国は全ての土地を国が所有する社会主義体制のはずだ。国が国に税金を課すのだろうか?▲もちろん、そんなわけはなく、土地については使用権を買った富裕層が徴税対象となる。過熱した不動産投機を鎮めるとともに、税収を貧困層への分配原資に充てる。格差解消を目指すとして習近平指導部が強調する「共同富裕」政策の一環らしい▲動かぬ財産だから不動産なのに、札束で強引に動かせば「富動産」になると考えたのが、中国恒大集団だったのかもしれない。その経営危機により冷え込み始めた不動産市場が、新税導入でさらに冷えるとの懸念が出ているそうだ▲さてわが国では最近、経済週刊誌の表紙にこんな言葉が載った。もはや「負動産」―。相続した実家を売りに出すが、過疎地では買い手が見つからない。放置すれば空き家は傷み、庭の草も伸びるばかり。毎年の固定資産税が追い打ちをかけるよう▲そんな負動産を富動産にしてくれとは言うまい。ただ、今の衆院選でも中央一極集中の是正論議が一向に深まらないのはなぜだろう。地方は首をかしげている。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

天風録の最新記事
一覧


 あなたにおすすめの記事