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使い捨てプラ、どうやって減らす? マイ容器持参で買い物へ【こちら編集局です あなたの声から】

2021/11/1 20:11
オーガニックストア ツチノコで、繰り返し使えるカップを客(左)に紹介する店主の垣崎絵理さん

オーガニックストア ツチノコで、繰り返し使えるカップを客(左)に紹介する店主の垣崎絵理さん

 ごみの分別法を取り上げた9月の「こちら編集局です」の記事に、多くの反響が寄せられた。特に、使い捨てのプラスチックをできるだけ使わないよう呼び掛ける専門家の見解について、「ではどうやって減らしたらいいのか」との問い掛けが目立った。プラスチックごみ削減に取り組む店や人を訪ね、参考になる実践例を教えてもらった。

 ▽量り売り店利用 相談も

 取り組みやすい方法の一つが、量り売りをする店を利用し、持ち込みの容器などに商品を入れてもらうことだ。

 尾道市の食品・雑貨店「オーガニックストア ツチノコ」は米やしょうゆ、みそなども含む計80種類の食品を量り売りしている。棚には、調味料やドライフルーツが入った大型の瓶がずらりと並び、店は、空き瓶や紙袋を持参するよう呼び掛けている。

 来店した同市の主婦藤田里奈さん(35)は「使い終わった調味料の瓶を持参してスパイスを購入したりしている」と話す。できるだけ、買い物に伴うごみを減らすため、普段からマイバッグを持ち歩き、足りない時はバンダナ代わりに頭に巻いた風呂敷を使っているという。

 量り売りの店が近所にない場合も、申し出れば対応してくれる場合がある。三原市の主婦槙田沙希さん(32)は、新型コロナウイルス禍で料理の持ち帰りや配達でプラスチック容器が増え「使い捨てが心苦しい」と感じていた。そこで近所のファミリーレストランで総菜を買った時、持って行ったふた付きのプラスチック容器に入れてもらった。お店も「いいですね」と快く応じてくれたという。スーパーなどには、プラスチック包装の商品が多くて買いがちだが「できるだけ続けていきたい」と話す。

 マイバッグや風呂敷、瓶、ふた付きのプラスチックの食品保存容器のほか、どんなものを用意すればいいのか。尾道市の靴職人藤山なおみさん(57)は、保温性に優れ冷凍もできるほうろうの容器で、総菜を買うなどするという。また、すぐに食べるパンなどは、ハンカチに包むこともある。

 藤山さんは「店の人に『ごみを出したくない』と伝えると、はっとした様子で、好意的に応じてくれる」と笑う。「エコな買い物に成功するとうれしい」。自分なりのちょっとした工夫は、会員制交流サイト(SNS)で紹介している。

 コーヒーなどのテークアウトの飲み物に、マイ容器を使う方法もある。雑貨店などでは、折り畳めるカップなども売られている。

 自宅で量り売りを始めた人もいる。広島県熊野町のパート寺田彩乃さん(39)は「買い物で個包装が多いのが気になる」と9月、スパイスや豆類など十数種の販売を始めた。今のところ購入者は友人が多い。「少しずつでも取り組みが広がっていけばいいな、と思っている」とSNSでアピールしている。(赤江裕紀)

 ◇「ミニマルライフ」心掛けて 広島修道大人間環境学部 羅星仁(ナ・ソンイン)教授(環境経済学)

 プラスチック容器は軽くて安く、捨てやすいために広く浸透しました。例えば、重くて割れやすいガラスより使いやすいです。

 しかし、ほとんどのプラスチックは自然界で分解されません。リサイクルが確立されたペットボトルなどを除いては、燃やすしかなく、二酸化炭素が大量に発生します。海洋プラスチックごみ問題といった生き物に対する悪影響もあり、買う側、売る側双方の立場で削減が求められています。

 まずはできるだけ物を増やさない「ミニマルライフ」を心掛けましょう。新品を買うと過剰包装になっている場合があります。中古品を買ったり、必要な物をレンタルやリースで調達したりする頻度を増やしてはどうでしょうか。不用品をリサイクル店に出したり、誰かにあげたりしてもいいでしょう。物の寿命が長くなり、ごみが少なくなります。

 とはいえプラスチック容器を全く使わないのは難しい。かみそりなどは使い捨てではなく、質の高い製品を買って長く使うのも一案です。長期的に見ると経済的でもあります。

 売る側の工夫も必要です。欧米で量り売りは一般的ですが、日本では普及していません。消費者は何に入れて、どのくらい買えばいいのか、分からないようです。例えば、しょうゆや酢など容器の規格を統一すれば広がるかもしれません。

 ごみの削減はすぐに解決しません。ストレスになると続かないので、無理なくできることから始めましょう。

    ◇

 プラスチックごみ削減のために、あなたが日々の暮らしで工夫していることはありませんか。アイデアや経験談を寄せてください。

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  • グラフィック・西之下学
  • 羅星仁教授

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