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立憲民主党代表選 立て直しへ具体策競え

2021/11/22 6:39

 野党第1党の立憲民主党の代表選が告示され、30日の臨時党大会に向け選挙戦が始まった。

 衆院選敗北で引責辞任した枝野幸男・前代表が進めてきた共産党などとの選挙協力や、野党共闘の在り方に加え、政権担当能力を持つ党に立て直すための具体策が問われている。

 立候補したのは、逢坂誠二元首相補佐官(62)、小川淳也元総務政務官(50)、泉健太政調会長(47)、西村智奈美元厚生労働副大臣(54)の4人。

 いずれも閣僚経験はない。旧民主党政権で要職に就いていなかった分、支持率の低迷した政権末期の負のイメージは引きずっていない。世代交代を求める流れにも沿っている。裏を返せば、知名度はさほど高くなく、指導力が未知数の人が多い。

 逢坂氏は北海道ニセコ町長を務め実務能力を強調する。小川氏は記録映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で知られ、対話型の政治を掲げる。旧国民民主党の泉氏は政策立案型政党への転換を目指す。西村氏は唯一の女性候補で、ボトムアップの政治の再起動を訴えている。

 最大の争点とも言える野党の選挙協力について、主張に大きな違いは見られない。政権交代を目指す以上、小選挙区では与野党一騎打ちの構図づくりが必要だと考えているようだ。

 問題は政権の在り方、とりわけ共産党との距離感だろう。選挙中は、限定的な閣外からの協力にとどめると説明していた。しかし日米安全保障条約の廃棄を唱える共産党との連携は「基本政策が違う」「選挙目当ての野合」との批判を受けた。有権者の理解が広がらなかったばかりか、政権担当能力への不安を強めたのではないか。支持組織、連合との関係も悪化した。

 今後どうすべきか、慎重な検討が避けられまい。この点で、各候補の主張は曖昧さが目立つ。党内が路線対立に陥らぬよう、警戒しているようだ。

 何より選挙協力の検証が急がれる。それを踏まえて、対応を練ることが必要だ。289ある小選挙区のうち7割以上の区で、立民をはじめ5野党は候補を一本化した。多くの区で接戦に持ち込み、自民党の幹事長を倒したが、競り負けた区も多く、59勝にとどまった。

 共産党との連携で左派色が強まり、保守層などが離れたようだ。共同通信の世論調査では、無党派層のうち立民に投じたのは比例代表では24%で、4年前の旧立民の30%を下回った。その結果、立民は比例代表の議席を公示前から23も減らした。

 存在感のある健全な野党がないと、国会から緊張感が失われる。与党が国会を軽んじるからだ。例えば安倍晋三氏は首相の時、「桜を見る会」を巡る国会質疑で、事実と異なるとみられる答弁を118回も重ねた。

 まっとうな国会論議を取り戻すため、野党の役割は大きい。その先に政権交代を真剣に目指すなら、なおさらだ。

 若い有権者の意識を考えると、「批判や反対ばかり」といった党のイメージ刷新が求められる。与党に比べ脆弱(ぜいじゃく)な地方組織の強化も急務だ。支援者を増やす地道な活動が欠かせない。

 来年夏には参院選が控えている。政権担当能力をアピールするには、代表選を通して政策論議を深め、連立与党との対立軸を際立たせる必要がある。

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