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ドイツの「信号機連立」政権

2021/11/28 6:39

 人けのない夜でも、横断歩道で赤信号を守るドイツ人は珍しくない―。何年か前、そんな海外ニュースを読んだ覚えがある。もはや都市伝説の類いかもしれないが、規則好きの国民性には親近感が湧く▲その国で先ごろ、「信号機連立」政権の船出が決まった。手を組んだ3党のシンボルカラーからの連想らしい。第1党になった中道左派の社会民主党が「赤」、「黄」が自由民主党、「緑」は無論、環境政党の緑の党▲野党に転じた保守、キリスト教民主同盟は「黒」で僧服の色を思わせる。率いていたメルケル首相の引退も響いたのか、総選挙は文字通りの黒星に▲在日ドイツ大使館が公式ツイッターでこんな解説をしている。黒と黄の両党ならば「蜂(はち)連立」、黒と黄、緑の3党であれば国旗が同じ3色の「ジャマイカ連立」と呼ばれるはずだったらしい。しゃくし定規どころか、意外としゃれているではないか▲4年前の総選挙では5カ月もかかった連立交渉が今回、2カ月と予想より早くまとまった。ただ、コロナ禍で巨額の財政赤字を抱え、気候変動対策には待ったなしの黄信号がともる。点滅信号に追い立てられる気分の年越しは日本もそう変わらないけれど。 

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