文化・芸能

一押し著者を発掘 周南の出版社ロゼッタストーン、購入予約1000冊で本に

2019/11/27 19:00
本の企画を練る弘中さん(左)、大橋さん(中)、西川さん

本の企画を練る弘中さん(左)、大橋さん(中)、西川さん

 周南市八代の弘中百合子さん(59)が社長を務める出版社ロゼッタストーンが、埋もれた著者を発掘し、全国出版を目指す取り組みを始めた。題して「あなたも出版プロデューサー」。一押しの著者や書籍化にふさわしい企画を募り、購入予約が千冊に達したら出版するという仕組みだ。

 弘中さんは広島大文学部を卒業し、山口放送のリポーターなどを経て、28歳で上京。青春出版社で女性誌「SAY」や男性誌「BIG tomorrow」の編集に10年携わった。1999年、自ら雑誌づくりをしようと退社後、ロゼッタストーンを設立した。「人間同士のコミュニケーション」をテーマに翌年、季刊誌を創刊。「人間関係」「不登校・ひきこもり」などを特集し、5年間発行した。その後は単行本の出版を軸に手掛けてきた。

 昨年、母親の介護のため東京から周南市にUターンし、実家の一室を会社事務所にした。ことし4月、「大腸がん 最新標準治療とセカンドオピニオン」を出版したほか、自費出版もサポートしている。「山口の人たちがもっと本を出せる環境をつくりたい」と、10月から「あなたも出版プロデューサー」の企画を始めた。約30年離れていた山口に、どんな面白い人がいるのかを知りたいという思いもあった。

 「あなたも―」で募集するのは、例えば「人生観を聞いてみたい経営者」「リバウンドしないダイエット法」「みんなに教えたいおばあちゃんの知恵」などの企画案。企画が通ったら、同社のホームページ(http://www.rosetta.jp)上で1年間を目安に賛同者を募る。出版できたら印税として2%を発案者に支払うという。著者の推薦も受け付けており、自薦も可能だ。購読予約分だけでなく、全国の書店でも販売を目指す。

 第1弾として、弘中さんが見つけた3人の著者でスタートさせる。下松市在住で映画コメンテーターとして活躍する大橋広宣さんの案は、「発達障害で何が悪い!」。自身の発達障害とどう向き合い、どう夢をかなえたのか、周囲のどんなサポートが必要かなどをつづる。周南市の野菜ソムリエプロ西川満希子さんの「ヤサイコトバ」、東京の弘中勝さんの歴史小説「厳島戦記」を合わせ、計3冊の出版を目指す。

 出版業界は市場規模の縮小から厳しい経営環境が続き、新人を発掘する余裕をもちにくいのが現状だ。出版社と著者、読者らを結び付ける新しいビジネスモデルを通じ、出版文化を盛り上げたいという弘中さん。「将来は、山口に多くの人が来てもらえるようなイベントを著者と一緒に開くなど、地元の文化向上につなげたい」と話す。

 ロゼッタストーンTel0833(57)5254。(増田咲子)


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