文化・芸能

広島の映画の灯を消したくない 新型コロナ感染拡大、苦境のミニシアターに支援の動き

2020/4/18 11:23
「友の会」の募集ポスターの前で、「地域の映画文化を絶やさないため踏ん張りたい」と語るシネマ尾道の河本支配人

「友の会」の募集ポスターの前で、「地域の映画文化を絶やさないため踏ん張りたい」と語るシネマ尾道の河本支配人

 ▽「友の会」入会や回数券購入

 新型コロナウイルスの感染拡大で、広島県内の小規模映画館(ミニシアター)が苦境に立たされている。政府の緊急事態宣言の拡大などを受け、休館を余儀なくされる館が出ている。休館が長引けば経営が立ちゆかなくなる恐れもある。「地域の映画の灯を消してはならない」と支援の動きも広がっている。

 福山市の福山駅前シネマモードは17日から5月7日まで、尾道市のシネマ尾道は18日から5月8日まで休館することを決めている。広島市西区の横川シネマは県の休業要請が出れば休館する予定だ。

 シネマ尾道は3月の来館者数が前年同月比約4割減った。1日に数人という日もあるという。今月4日から、1口1万2千円以上で招待券10枚が付く「友の会」への入会呼び掛けを強化。会員制交流サイト(SNS)を活用し、これまでに62口が集まった。地元だけでなく、東京や広島市などの遠方から支援のためとみられる入会もある。

 「市民や映画ファンの方からなくなっては困るという思いを感じる」と河本清順支配人(43)。休館が長引いた場合、「地域の映画文化を守れなくなるのが怖い」と危機感を募らせる。

 横川シネマは、溝口徹支配人(49)がスタッフを抱えず1人で運営している。今月に入り、5枚つづりの回数券を観賞後に買って帰る人や、わざわざ回数券購入のために訪れる人が増えたという。溝口支配人は「お客さんは何も言わないが、応援の気持ちが伝わってくる」と感謝する。

 福山駅前シネマモードは休館に伴う新たな上映手段として、18日に神石高原町の「道の駅」でドライブインシアターを企画したが、急きょ中止が決まった。藤井信支配人(46)は「なかなか打つ手がない中でスタッフ全員で知恵を絞った。残念でならない」と肩を落とす。

 全国的には諏訪敦彦、森達也、是枝裕和の各監督らが発起人となり、「ミニシアターを救え!」プロジェクトや、クラウドファンディングの「ミニシアター・エイド基金」が進行中だ。プロジェクトでは、休業や外出自粛要請で生じた損失の補填(ほてん)を求める要望書を内閣府や文化庁などに提出。エイド基金は13日の呼び掛けから既に1億2千万円を突破した。

 諏訪監督は「年間に1300本近い映画が公開されるうち、約千本はミニシアターで上映され、映画文化の多様性が守られている」と支援の必要性を訴えている。(里田明美、田中謙太郎) 

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