文化・芸能

【インタビュー】そりの美、なおも追究 澄川喜一さん文化勲章

2020/10/28 19:30
自らの創作の軌跡を振り返る澄川さん(東京都の事務所)

自らの創作の軌跡を振り返る澄川さん(東京都の事務所)

 文化勲章の受章が決まった彫刻家の澄川喜一さん(89)=東京都清瀬市=は、古里の島根県六日市町(現吉賀町)の自然や岩国工業学校(現岩国工高)時代に何度も写生した錦帯橋を原風景に、「そりとむくり」に象徴される日本的な美を追究してきた。その傍ら、母校の東京芸術大で学長も務め、多くの後進を育てた。米寿を迎えてなお、素材や空間との「対話」を重ねる。(桑原正敏)

 ▽錦帯橋の構造調べスケッチ/合理性とデザインを融合

 彫刻家を目指す原点になった錦帯橋。岩国工業学校に通う傍ら、橋のたもとでスケッチし、構造を調べた

 今でいう中学生くらいの時に錦帯橋を見に行くと、少ない材料で見事なアーチ。びっくりしました。私の表現の基本はそりとむくりだけど、錦帯橋はまさにそり。錦川の河川敷をつたって下から構造を見ることができるのが大きかった。

 裏側が面白いんだよね。ずいぶん調べて絵に描いたよ。人が踏むところや欄干はヒノキ、裏側の構造はマツ。木の特徴に合わせて使い分けていた。

 生まれ育った六日市町は山口県に接する中国山地の集落。豊かな木々に囲まれて育った
(ここまで 465文字/記事全文 1431文字)

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  • デザイン監修した東京スカイツリーと石彫「TO THE SKY」。ツリーの造形にそりとむくりを表現するため「土台は正三角形。上部に向かってだんだん丸く絞り込まれていく」(2012年)=内海敏晴さん撮影
  • 木の彫刻に囲まれた東京都清瀬市のアトリエで創作に励む(2014年)=内海敏晴さん撮影
  • デザイン監修を手掛けた東京湾アクアライン人工島の「風の塔」。高さの異なる二つの建物に隙間を設け、吹き込む風で海底トンネル内を換気する(1997年)=内海敏晴さん撮影
  • 平櫛田中賞を受賞した「そりのあるかたち1」=1978年制作、高さ135センチ、幅260センチ、奥行き45センチ、東京都現代美術館蔵(内海敏晴さん撮影)
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