文化・芸能

松江泰治「JP―34」 月曜社刊

2021/2/19 20:38
「JP―34」

「JP―34」

フラットな写真 揺らぐ視座

 広島市現代美術館で2018年から19年にかけて開催されていた「松江泰治 地名事典 gazetteer」をきっかけに松江泰治の写真を知った。同美術館のホームページにある展覧会概要には「撮影においては、構図に地平線を含めない、被写体に影が生じない順光で実行するといったルールを自らに課すことで、一貫して、写真本来の性質である平面性を追求してきました」とある。確かに彼の都市や自然の写真はどれもとても平面的で、我々がなにかを本物らしいと思うときに想起するような陰影や動きの気配が排されているのに紛れもなく本物で、見ているととても新鮮で少し混乱する。
(ここまで 285文字/記事全文 778文字)

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