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大原美術館学芸統括・柳沢秀行さん(54)=岡山県早島町 アートの底力、今こそ【コロナ×文化びと 私の3カ条】【動画】

2021/3/12 19:45
コレクションの礎を築いた洋画家児島虎次郎の作品を見つめる柳沢さん。「開館することに使命感を持ちたい」と話す(撮影・井上貴博)

コレクションの礎を築いた洋画家児島虎次郎の作品を見つめる柳沢さん。「開館することに使命感を持ちたい」と話す(撮影・井上貴博)

 倉敷市美観地区に立つ大原美術館。その館内を案内する足取りは軽やかだ。児島産のジーンズをはき、ランチには近所の老舗へ向かう。勤めて約20年。美術史が専門だが「研究領域は大原美術館」と笑うほど、館の歴史と役割を見つめてきた。コロナ禍は、昨年90周年を迎えた日本最古級の美術館にとっても未曽有の事態。歩みを止めまいと「今できること」を積み重ねている。(福田彩乃)

 (1)開館し続ける

 鑑賞を望む声があれば、開館する。柳沢さんいわく、それが大原美術館の伝統という。表向きには休館していた戦時中でさえ、訪ねる人がいればそっと門扉を開けた。しかし昨年4〜8月、感染拡大の影響で136日間の臨時休館を余儀なくされた。開館史上、初めての長い休みに「歯がゆい思いだった」。

 再開館した今も、油断はできない。収入の8割を入館料が占める同館にとって、休館は大きな痛手となった。入場制限や催しの中止も影響し、例年30万人の来館者は本年度は多くて6万人の見通し。「今できることをやっていく」と前を向く。

 昨年10月から2カ月間、クラウドファンディング(CF)で運営費を募った。応援してくれる人は全国にいるはず。ただ、どれほど善意が集まるか…。不安は、すぐに消えた。目標の1千万円を6日間で超え、約2300万円が寄せられた。

 届いたのはお金だけではない。「大原美術館、大好き」「地元の誇りです」。メッセージを一つ一つ印刷し、職員みんなが通る廊下の壁一面に張り出した。「ファンの愛の深さを実感しました」。だからこそ、作品との出合いの場を守りたい。開館し続けられるよう、知恵を絞る。

 (2)ホスピタリティー
(ここまで 688文字/記事全文 1561文字)

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この記事の写真

  • ギリシャ風の外観をもつ本館
  • 本館に入ってすぐ、児島虎次郎「和服を着たベルギーの少女」(1911年、大原美術館蔵)が迎える
  • クラシックな円窓
  • コロナ対策を呼び掛けるパネル
  • CF寄付者からのメッセージをバックヤードの廊下に張り出した
  • ランチで行き着けの店「手打ちうどん おおにし」のカレーうどん
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