一般 オルタナ旧市街著 文化 小山田浩子の本棚掘り 2022/6/29 2019年ごろから書かれた文章をまとめた散文集、随筆っぽい、小説っぽい、どちらともとれそうなものとが混じる。「スプリングフィーバー...
夜になるまえに レイナルド・アレナス著、安藤哲行訳 国書刊行会刊 文化 小山田浩子の本棚掘り 2022/3/18 光芒放つ 亡命作家の自伝 母国キューバで政権の弾圧を受け米国に逃れた亡命作家の自伝、死を前にして書いた序文から始まる。彼は暴力が身近...
ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤 コーマック... 文化 小山田浩子の本棚掘り 2022/1/25 同居する美しさと残酷さ 吉村萬壱さんがオンラインイベントで言及しておられたのがきっかけで読んだ。...
きょうの肴なに食べよう? クォン・ヨソン著、丁海玉訳 KA... 文化 小山田浩子の本棚掘り 2021/11/17 韓国食文化を芳醇に描写 「春の宵」(橋本智保訳・書肆侃侃房=しょしかんかんぼう)などが邦訳され、「まだまだという言葉」(斎藤真理子訳...
キバラカと魔法の馬 アフリカのふしぎばなし さくまゆみこ編... 文化 小山田浩子の本棚掘り 2021/10/22 広がる異世界 懐かしさも 近所で運動会があるらしく、風に乗ってかすかによさこいソーランが聞こえてくる。尺八三味線鳴子、私が子供のころ...
多田尋子小説集 体温 多田尋子著、書肆汽水域刊 文化 小山田浩子の本棚掘り 2021/8/25 普通の人生の割りきれなさ 長く絶版になっていた著者の小説が、2019年に新たな作品集として刊行された。刊行した書肆(しょし)汽水域は...
聖ヨハネ病院にて 大懺悔 上林暁著、講談社文芸文庫 文化 小山田浩子の本棚掘り 2021/7/30 描写と心象 自在に行き来 上林暁の作品は私小説と呼ばれる、作者(と思しき人物)の生活や心情を描いた作品が多い。本短篇集収録作もほとん...
放っておくだけで、泣くほどおいしい料理ができる 谷口菜津子... 文化 小山田浩子の本棚掘り 2021/6/25 ゆっくり作って盛り上がる 子供のころ初めて一人で作った料理はご飯をバターで炒め醤油(しょうゆ)で味つけした具のない焼き飯だった。食の...
LGBTを読みとく─クィア・スタディーズ入門 森山至貴著、... 文化 小山田浩子の本棚掘り 2021/5/25 差別解消のため知識が必要 本書は「(略)『みながこの程度まで知っていれば十分にセクシュアルマイノリティに対する差別は解消されうる』と...
コットリコトコ おくやまゆか著、小学館刊 文化 小山田浩子の本棚掘り 2021/4/23 家族の日常の豊かな輝き 幼稚園児のコトコ、お兄ちゃんのタイチ、絵を描く仕事をしているお母さん、ときどき海外出張があるお父さんの4人家...
アフリカの印象 レーモン・ルーセル著、岡谷公二訳、平凡社ラ... 文化 小山田浩子の本棚掘り 2021/3/24 制約から生まれる想像力 広場で盛大な祝典が行われようとしている。広場には建物や彫像などが配置してある。「彫像の足は、別の黒い鯨のひげ...
ぴんぞろ 戌井昭人著、講談社文庫 文化 小山田浩子の本棚掘り 2021/1/22 無造作なようで自然な流れ 「ぴんぞろ」の主人公は胡散臭(うさんくさ)い俳優養成所のために芝居脚本を書いている男だ。彼は売れない芸人の...
100文字SF 北野勇作著、早川書房刊 文化 小山田浩子の本棚掘り 2020/12/24 世界に潜む法則をちらっと 元々はツイッターで発表された、ほぼ100文字で書かれた小説が200篇収録されている。鮮やかなどんでん返しや...