球炎

　あの日の床田のギアチェンジが忘れられない。チームの連敗を4で止めた5月31日、日本ハム戦の八回だった。三振を奪った最後の118球目...

　悲しい知らせは試合前に届いた。大瀬良と西川が出場選手登録を抹消された。エースの不調と主軸のけがは受け入れざるを得ない。同時に納得で...

　試合終了の瞬間、菊池はバットでグラウンドをたたいた。仲間を信じてヘルメットをかぶり、準備していた打席は訪れなかった。歯がゆさが募る...

　大瀬良には大事なチェックポイントがある。それは左脚を上げた時。「重心を右の股関節に乗っけるとフォームがはまる」と表現する。するとス...

　奇策を好むビッグボスに影響されたわけではないだろう。さすがにこの起用には驚いた。先発捕手、中村奨。チームのピンチは布陣を試す大チャ...

　６月の涙雨。マツダスタジアムには一足先に梅雨が来た。二回無死一塁の坂倉、五回無死一塁の小園。さあいくぞという時に、若い２人が見逃し...

　ボークの球を打つと、どうなるか。公認野球規則の６・０２に書いてある。打者が不利にはならないルール。安打ならば、ボークが消え、安打の...

　じっとしていられなかった。早朝、福岡市中心部の宿舎から駆け出した。目指したのは日本三大八幡で開運勝利の神とされる筥崎宮（はこざきぐ...

　打たれるのは仕方ない。引っ掛かるのは二回、森下が通算1盗塁の柳町に許した二盗である。直後に今季初の死球、続くプロ初先発の9番打者に...

　ペイペイドームには、いい思い出がない。またで申し訳ないが、九州大時代の個人的な話である。九州六大学野球の春季リーグ開幕戦はこの球場...

　優しいリードが持ち味の磯村に、交流戦で好機が訪れた。坂倉は当面、三塁出場となるチーム方針で、正捕手の会沢は体調が万全ではない。2試...

　菊池は１年、我慢した。小園と二遊間を組んだ昨季、守備の助言をしなかった。「自分で感じてもらった方がいい」。あと少しで併殺を逃した時...

　いつもの球場で、いつもと違う攻撃を見た。0―1の五回2死一塁、8番松川がフルカウントからフルスイングしてきた。左中間へ飛んだ打球に...

　グラウンド上の静かな投手戦。その裏で、ブルペンがどたばたと騒がしい。1―0の六回、ベンチ裏の投球練習がテレビ画面にちらりと映った。...

　広島の八回には魔物が潜んでいる。ここを託せる投手が、どこかにいないか。首脳陣が隠し玉として期待する19歳の小林がこの日、テスト登板...

　大瀬良が投げるのは2週間ぶりだった。表向きの理由は前回13日に予定されたヤクルト戦が雨でなくなったことと開幕からの疲れ。個人的には...

　点を取れそうで取れない。球を捕れそうで捕れない。我慢比べで根負け続きの戦いが歯がゆい。競技は違えど、サンフレ担当時代に取材したJ1...

　西川はクールな振る舞いがかっこいい。いつも安打を放って涼しい顔。打ち取られても顔を上げて平然とベンチに戻る。今夜は違った。一回1死...

　遠藤の挑戦に胸は高鳴った。八回まで三塁すら踏ませず109球。敵地で巨人相手に完封したのは2008年のルイスが最後である。大瀬良も九...

　3度のサヨナラ機を逃したもどかしさは、堂林の好返球を思い出すと消えていく。0―2の五回2死二塁、太田の左前打にチャージし、本塁へ送...