球炎

　小園にささげられた言葉は「球界にとっての宝物」。春季キャンプ中、日本代表の栗山監督がそう口にしたほどの魅力にうそはなく、今の不振は...

　久しぶりにレジェンドの野球観に触れたのは開幕直前だった。シーズンを控え、OBの新井貴浩さんを対面取材。現役時代、嫌だったチームを尋...

　守備力とは何だろう。守り勝ちを目指すなら、グラブさばきは巧みな方がいい。編成上の都合で即席で三塁に入る坂倉をどう思うか、開幕直後に...

　今夜の攻撃を見ていると、今季のキャッチフレーズが頭に浮かぶ。「ガツガツGUTS!」。込められたメッセージは、勝利を求めて貪欲に。打...

　開幕前、小園は自分を疑っていた。周囲からさらなる飛躍を期待される4年目。「もちろん不安の方が大きい。打てるかなと」。3番を任され、...

　真っ赤な「桜」が満開である。9日ぶりに首位に浮上。春うららかな陽気に誘われて、心地がよい。開幕ダッシュは先も見据えながら決めている...

　違和感を覚えたのは二回の投球練習中だった。マウンドに立つ森下の姿は何かが違う。バックネット裏の記者席から目を凝らす。そしてハッとし...

　菊池にとって1676日ぶりのことだった。阪神の先発藤浪との対戦である。2017年9月5日以来のスタメン起用は、東出野手総合コーチの...

　野球選手には歴史がある。倉バッテリーコーチは高校2年の時、捕手ではなかった。「実はサードや。難しかったで」。だから分かる。ころころ...

　３連覇を知る右腕が今春、ブルペンにいる。会沢らが引っ張る野手と比べ、救援陣には強い時代を戦った選手が多くなかった。中崎が輪に加わり...

　守りが好きな選手ではない。口癖は「迷惑かけへんように」。そこへ打球が飛んできたのは、2点リードの七回無死一塁である。坂本が放った大...

　目が覚めた。バンテリンドームナゴヤに乗り込み臨んだこの3連戦が今季、ベースとなる戦いだろう。いかに投手中心に守り勝つか。ロースコア...

　森下の脳裏には、バンテリンドームナゴヤで味わった昨季の屈辱が刻まれている。9月14日の中日戦。自己ワーストの6失点と打ち込まれてい...

　バットをブンブンと振り回す外国人選手を何人も見てきた。なぜならチームに求められるのは長打力。米国仕込みの怪力を発揮するのが使命と言...

　失敗しない男は、投げたくない男でもある。ブルペンでの栗林は弱気の虫が顔を出す。「ほかの投手が登板した方が抑えられるのでは…」。プロ...

　この進撃が始まる少し前。東出野手総合コーチは会沢と菊池を呼び、頼んだ。主力として頑張れ、という気持ちの話ではない。「二塁には滑り込...

　音には思いがこもる。七回２死二、三塁のピンチ、黒原がまるでストライクを取れず、いきなり３ボールとなった時だ。パチ、パチ、パチ、パチ...

　劇的な開幕３連勝に興奮が冷めない。高鳴る胸を落ち着けて、スコアブックをめくって与四球を数え直した。３連戦で計６個。今季、投手陣の最...

　松山は我慢の冬を過ごしてきた。年末年始に鹿児島県の実家に帰省した時のこと。父義秋さんは息子の決意を敏感に感じ取っていた。好物のケチ...

　打線のつながりに目を見張った。海を渡った鈴木を欠いて迎えた開幕戦で先発全員となる１７安打の猛攻。一発はなかった。粘ってもぎ取った四...