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「究極」の逸品、白いカキフライ ふっくら・ジューシー、広島県内4店に登場【動画】

2020/1/29
白いカキフライ

白いカキフライ

 かきフライといえば、こんがりしたきつね色が思い浮かぶが、広島県内の飲食店4店で今月登場したのは、真っ白な衣の「白いカキフライ」。広島県の観光プロジェクト「牡蠣(かき)食う研」が「究極」のかき料理として開発した。フライとは思えないほどふっくらした仕上がりで、しかもジューシー。ソース要らずのおいしさの秘密を探った。

 ▽「滞在したい味」プロが追求

 4店のうちの一つ、広島市中区のイタリアンバル「LUCIO(ルチオ)」。カキ殻に盛り付けられたかきフライは確かに白いが、頬張るとサクッといい音がする。何より、中のカキが驚くほどふっくらしている。口いっぱいにうま味が広がった。

 ▽揚げる温度低め

 このジューシーさこそ「究極」とされるゆえんだ。普通のかきフライの身は硬く、縮んでしまうことが多いが、白いカキフライは軟らかい。理由は揚げる温度。一般的な170〜180度に対し、130〜140度で揚げることで中の水分を逃がさない。

 ただ、低温では揚げる時間が長くなり、油っぽくなりやすい。それを防ぐため揚げ油にはラードを使う。予熱で火が通りやすく揚げ過ぎずに済む。糖度が低いパン粉をまぶすのもポイントで、油切れがよく衣の色づきも抑えられる。

 カキの味がストレートに伝わる調理法だけに、どの店も質のいい材料を使っており価格は高めだが、オーナーの安原英志さん(31)は「タルタルソースやレモンも必要ない。ぜひ一度味わってほしい」と力を込める。

 県のカキのPRキャンペーンはこれまで、カキを扱う飲食店の増加など「数」を意識してきた。一方、昨年から始めた牡蠣食う研の目的は「味」のレベルアップ。観光客がこの一皿のために広島に滞在したいと思えるようなものを模索する。

 ▽完成まで数カ月

 人気はあるが「家庭の味」にとどまっている印象もあるかきフライは、プロによるおいしさの伸びしろがあるとして、プロジェクトの第1弾に選んだ。福山市出身で、東京で名店「とんかつ成蔵」を営む三谷成蔵さんの監修も受け、数カ月かけて完成させた。

 提供する4店の基本の作り方は同じだが、主役の県産カキはそれぞれ異なる。例えばLUCIOが使う宮島周辺のものは、大きめで味が濃い。同じ宮島産でも、尾道駅横の天咲(てんさく)=尾道市=が扱うカキは小ぶりで、肝のえぐみが少ないのが自慢だ。

 ほのかな甘みを感じるのは、広島市中区の握手カフェが仕入れる東広島市安芸津町産のカキ。独特のくせが苦手な人には、フォーエバーカフェ&オイスターバー(福山市三之丸町)が扱う江田島市産があっさりして食べやすい。観光客に限らず、県民が食べても新しい発見がありそうだ。(福田彩乃)

 ■広島を世界一おいしくカキが食べられる街へ 「牡蠣食う研」の合言葉

 広島県のプロジェクト「牡蠣食う研」の公式ホームページには、「白いカキフライ」の開発までの過程や作り手の思いも丁寧に記されている。広島のカキへの情熱を観光客にアピールしつつ、地元県民に古里の食材への愛着を強め、ファンの輪を広げてほしいとの願いからだ。

 牡蠣食う研のメンバーは、県内で先頭に立って魅力を発信している生産者や料理人、ライターたち。「広島を世界一おいしくカキが食べられる街へ」を合言葉に、今後は焼きがきや生食の楽しみ方をさらに掘り下げていく予定にしている。

 白いカキフライを提供する店もさらに増やしたいという。希望があれば県観光課Tel082(513)3398。


この記事の写真

  • LUCIOが「白いカキフライ」に使う宮島産カキ
  • 牡蠣食う研のロゴマーク

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