エッヘン!産地ごはん
うまい!すごい!給食の高級食材 コロナ禍で生産者支援、愛着育む機会に
中国5県の小中学校などの給食に、地元産の和牛やブリ、マダイ、ズワイガニなど「高級食材」を使ったメニューが登場している。コロナ禍で打撃を受けている生産者を支援する国の一策。給食で見たことのないメニューは、子どもたちが地域の特産を知って味わう「おいしい」機会になっている。
梅みそでしっとり焼いたマダイが給食の一品として並んだ海田小(広島県海田町)。子どもたちは「めでタイ」と冗談を交わし、給食委員が「県内で育てた鯛(たい)を給食で食べてください、と広島県がただで分けてくれました」と校内放送。6年谷本蒼真(そうま)君(12)は「皮がパリッとしていておいしい」と、じゃんけんで勝っておかわりを頬張った。
これまで給食で利用してきたのはノルウェー産やロシア産の赤魚で、県産マダイは初めて。1食250円のうち牛乳と主食を除くと120円しか残らない台所事情がある。同小の学校栄養職員、宮田純子さんは「地元の豊かな材料を使えると、地域への愛着を育むことにつながる」と喜ぶ。
今回の事業は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた消費の減少で苦しむ農林水産物の生産者を支援する国の緊急対策。例えば和牛の場合、100グラム千円以内で3回まで、水産物は種類によって100グラム250〜千円を上限に計12回まで給食に出せる。各県は、食材や回数について国が定める範囲から選ぶ。広島は和牛とマダイ、ブリ(ハマチ)で、費用は計4億3150万円の見込み。全額を国の補助金で賄う。
マダイを養殖する大竹市・阿多田島の中森誠さん(61)は、新型コロナで外食需要が激減していたところ、学校給食に使われたため、「本当に助かった。広島のタイのおいしさを知ってもらうきっかけになるといい」と期待する。
ほかの4県も地元産の和牛や地鶏に加え、メロンなどの果物もふるまう。日本海側の2県は大きな漁港を構える特性を生かし、島根はニギス、ブリなど6魚種、鳥取はクロマグロやズワイガニなど18魚種をメニューに入れる。鳥取県水産課は事業を地産地消のてこ入れに活用する方針で、山本健也課長補佐は「魚を給食に使う回数を増やし、来年以降も県産の魚を食べてもらえたらうれしい」と話していた。(二井理江)
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