エッヘン!産地ごはん
「みつろう」からエコなラップ 脱プラスチックの流れに乗って【動画】
ミツバチの巣を溶かして固めた「みつろう」を使った「みつろうラップ」。食品を保存するときに繰り返し利用でき、使い捨てのプラスチックラップに代わるものだ。レジ袋の有料化など「脱プラスチック」の流れに乗って、少しずつ広がっている。
▽手のぬくもりで変形/洗って繰り返し使える
みつろうラップは、みつろうを布に染み込ませたもの。熱に弱いため、電子レンジや高温の物には使えないが、手のぬくもりで軟らかくなって皿や瓶の口にフィットしやすく、サンドイッチやおにぎり、野菜などもそのまま包んで保管できる。食器用洗剤や水で洗え、繰り返し使えるのが利点だ。
インターネットなどで購入できるが、自分で作ることもできる。手作りしたみつろうラップを販売している東広島市豊栄町の兼平早苗さん(38)によると、みつろうやホホバオイルなど材料があれば、30分もあればできるという。ダンマルなどの天然樹脂を加えると密着しやすくなるが、樹脂がなくても構わないという。
オーストラリアでみつろうラップが製造、販売されているのを知って、5年ほど前に作り始めた兼平さん。自身はカラフルな外国産のオーガニックコットンや、庭で採れたヨモギやマリーゴールドなどで草木染をした布を使っており、「自然の恵みを生かし、自分の好みで仕上げられるのがいい」という。
おしゃれに楽しめるラップに、ファッション業界も注目する。セレクトショップを運営するエヌ(広島市中区)は今秋から、みつろうラップを中区の店に並べている。取引先のブランドから洋服を製造する際に出る廃棄物「残布」を提供してもらって作ったオリジナル。「何これ。面白い」「キッチンが楽しくなる」と女性客から人気を集めている。
中本健吾社長(53)は「エコな暮らしを、おしゃれでかっこよく実現する方法を提案すれば、もっと広がるんじゃないか」と話す。
年間約800万トンが海に流出しているとされるプラスチック。昨年に大阪で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は「2050年までにプラごみの海への流出をゼロにする」との目標を掲げた。家庭で使うプラスチックラップは1世帯当たり年6本ほどとされ、身近なプラごみとの付き合い方も課題だ。
養蜂家のもとにも、みつろうラップの問い合わせが寄せられるようになっている。養蜂業ビモンテが直営する三次市の「三次はちみつ園蜂家(はちや)」にも、3年ほど前から「みつろうラップありますか」「ラップを作るのにみつろうがほしい」といった声があるという。
専務の光源寺三恵子さん(50)は、試作したラップを店頭に置いており、お客さんから質問があれば作り方などを紹介している。「ハチの産物は捨てるところがない。みつろうラップをもっと知ってもらえたらうれしい」と話していた。(二井理江)
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