エッヘン!産地ごはん

思わず「あ〜」うなるスープ 1月の食材シジミ エッヘン!産地ごはん 

2021/1/8
ジョレンを船に引き上げる福間さん。宍道湖で育った黒いヤマトシジミが次々に姿を見せた

ジョレンを船に引き上げる福間さん。宍道湖で育った黒いヤマトシジミが次々に姿を見せた

 一年を通して取れるシジミにも旬がある。冬場の「寒シジミ」は、寒さが増すにつれてぐっとうまくなる。「煮るとスープが白く濁って、思わず『あ〜』とうなるおいしさよ」。全国一の産地、宍道湖で漁に励む福間弘幸さん(48)=松江市=は太鼓判を押す。

 うまいのは、寒さをしのぐため、シジミが砂や泥に深く潜って栄養分を蓄えるからという。お薦めの食べ方を尋ねると、「しじみラーメンもええね」と返ってきた。松江市内でメニューに載せる店がいくつかあると聞いて、早速向かった。

 確かに、白濁したスープだ。麺と一緒にすすると、体の隅々までじんわりと染み渡るようで、「あ〜」のひと言が漏れる。添えられたシジミの身もぷりっぷり。一気に食べ終え、不思議と元気が湧いてきた。

 松江市と出雲市にまたがる宍道湖のシジミ漁は、日の出とともに始まる。約270人の漁師がそれぞれの船に乗り込み、漁場へ繰り出していく。使う道具は「ジョレン」。長さ7、8メートルのさお先にステンレスの籠が付く。これで湖底を引っかく。すると、黒々としたヤマトシジミが籠にわっさと入って揚がってくる。

 福間さんいわく、宍道湖は「あんばいがいい」。西から湖に注ぐ斐伊川の水と、東から中海と大橋川を介して入り込む日本海の海水が絶妙に混じり合う。「この塩分濃度が、全国きってのシジミを育んでくれるんよ」

 自然と折り合いをつけるため、漁のルールは厳しい。人力でジョレンをかく場合は1日4時間、90キロまで。取り尽くさないようジョレンの網の目も広くしている。「末永く取るために、先のことを考えんと」。10年ほど前に宍道湖の環境変化で漁獲量トップを青森県に譲ったが、数年間かけてゆっくり回復を待ち、全国一に返り咲いた。

 冬と並んで、夏場のシジミもひときわおいしくなる。土用の丑の頃、産卵に向けて身が肥えるのだという。もう一つの旬も味わってみなければ。(林淳一郎)

 宍道湖産のシジミは、松江市の宍道湖漁協の直売所でも購入できる。生と冷凍があり、送料は自己負担。電話0852(21)3391=平日の午前9時〜午後5時。


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  • シジミ漁に精を出す漁師たち。宍道湖の朝の風物詩だ

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