エッヘン!産地ごはん

まるで巨樹のミニチュア 安芸高田市、広島県北広島町

2021/6/8
初夏の収穫期を迎えたブロッコリー。濃い緑の葉に守られるように育つ(撮影・山本誉)

初夏の収穫期を迎えたブロッコリー。濃い緑の葉に守られるように育つ(撮影・山本誉)

 朝露が輝く葉に守られて、緑の塊がすくすくと育つ。安芸高田市の畑で収穫が進む初夏のブロッコリー。こんもりとした房はぐっと引き締まり、茎の太さは5センチほどもある。葉を取り払うと、まるで巨樹のミニチュアのようだ。

 「房はもちろん、茎もおいしいんですよ」。教えてくれたのは、JA広島北部の松田浩幸さん(40)。そばで生産者の援農甲立ファームの光永浩章さん(37)もうなずく。取れたての茎の輪切りをいただくと、さくっとして、甘みがあって、確かに「うまい」。

 相性抜群なのがオリーブオイルだ。丸ごとゆでてニンニクの利いた熱々のオイルソースをかけると、豪快に味わえる。ちりめんじゃこもよく合う。

 見た目は「体格」のいい野菜だが、光永さんは「すごく繊細」と言う。涼しい気候を好み、収穫は夜明けから。すぐに低温で保存しないと黄みがかってしまう。恵みの雨も降りすぎたら、房の形がいびつになり、病気にかかることも。「気を使うけど、それだけ愛情が湧いてくる」

 ブロッコリーはキャベツの仲間で、地中海沿岸が原産地。日本には明治期に伝わり、食の洋風化が進んだ1970年代から栽培が盛んになった。広島県内きっての産地として知られるのが、安芸高田市と北広島町の旧大朝、千代田町だ。山あいの冷涼な風土を生かし、32戸の農家が生産部会をつくって初夏と晩秋の2回、計20トン前後を出荷する。

 全国を見渡すと、出荷量トップの北海道は年間2万5千トンを超す。中国地方では、ブランドの「大山ブロッコリー」がある鳥取県が約6700トン。数字に気おされそうだが、荷受会社の広島東部青果(広島市安芸区)の半田英樹さん(48)は「広島産も味と新鮮さでは負けない。小さくても、きらっと光る産地」と話す。

 旬は短く、初夏の収穫は6月末までの1カ月ほど。光永さんたちも追われるように早朝の畑へ繰りだす。(林淳一郎)

 「エッヘン!産地ごはん」のサイトで買える店を紹介しています。


この記事の写真

  • 針金の輪っかは直径15aほど。育ち具合を確かめて収穫する

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

ブロッコリーの記事一覧の最新記事
一覧