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2021年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る

原料の循環 脱炭素社会へ前進


代表取締役社長 佐藤 守正 (さとう もりまさ)

―新型コロナウイルスの感染拡大で小売業に大きな影響が出ました。

 外出自粛で駅弁や行楽弁当などに使う容器の需要が大幅に減少しました。一方で、巣ごもり消費によってスーパーの生鮮食品用に加え、外食産業の持ち帰り用や宅配向けの需要が急増。昨年4月は同年3月比で14倍、5月は44倍と出荷が急増した製品もありました。最近では、宅配に特化した飲食店「ゴーストレストラン」も増えています。急激な需要の変化にも、新製品の開発も含めて迅速に対応し、安定的に製品を供給しています。

―物流の体制も強化しています。

 約1万種に及ぶ製品を安定的に届けるため、配送センターを全国9カ所に設けています。昨年から今年の完成予定を含め福山市や佐賀県、岐阜県の配送センターを増強。さらに、近畿地方の物流拠点を兼ねる新工場を兵庫県に建設し、2022年夏には稼働させる計画です。これにより全国をカバーする物流ネットワークが完成します。小口需要にも19年に開設したECサイト「パックマーケット」などを活用してしっかり対応します。人工知能(AI)を使った販売予測の精度向上や生産の効率化も進めています。

―企業の合併・買収(M&A)もありました。

 食品加工会社との取引が多く、水産向け製品を扱う「積水ヒノマル」(熊本市)のプラスチック製食品容器の製造・販売事業を昨年10月、取得しました。より広い分野に向けた販売を強化し、当社の生産技術やリサイクル、物流のノウハウを生かして効率化、生産性向上を図ります。

―環境保全への意識が高まっています。リサイクルの状況は。

 有害廃棄物の輸出入を規制する「改正バーゼル条約」が発効となり、プラスチックごみの国内循環が加速します。当社は回収した使用済みのトレーやペットボトルを原料に戻し、再び製品化する循環型リサイクルシステムを約30年かけて構築しました。3月にはリサイクル原料による製品が全体の47%に達する予定です。昨年は大手化学メーカーと、食品トレー容器の素材であるポリスチレンの完全循環型リサイクル実現に向けて動き始めました。リサイクル原料の生産能力をさらに高め、脱炭素社会の実現に貢献します。


リサイクル原料を使用した「エコトレー」
概要
社名株式会社エフピコ
本社■ 福山本社
〒721-8607
福山市曙町1-13-15
Tel 084(953)1145
■ 東京本社
〒163-6036
東京都新宿区西新宿6-8-1 新宿オークタワー(総合受付36階)
Tel 03(5320)0717
設立1962年7月
事業内容ポリスチレンペーパーおよびその他合成樹脂簡易食品容器の製造・販売、並びに関連包装資材等の販売
資本金131億5000万円
売上高1863億4900万円(2020年3月期)
従業員数単体885人 連結4484人(2020年3月現在)
支社・支店・工場大阪支店、営業所9、総合研究所、工場19、リサイクル3、選別・減容10、物流20
関連会社エフピコ商事(株)、エフピコチューパ(株)、エフピコインターパック(株)ほか26社
ホームページhttps://www.fpco.jp

企画・制作/中国新聞社地域ビジネス局
※2021年中国新聞元旦号に掲載したものです。