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2021年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る

実力と国際性ある音楽家育成


理事長・学長 川野 祐二 (かわの ゆうじ)

―平和都市広島の地域に根差した音楽大学として発展してきました。

 1947年、カトリック・イエズス会のベルギー人神父が原爆の惨禍に遭った人々の心を癒やすために開いた小さな音楽教室が本学の始まりです。翌年、広島県公認の音楽学校となり、ベルギーのエリザベト王太后の後援と御名(みな)を賜って今日まで発展をしてきました。93年には私立音楽大学で初めて博士後期課程の設置が認可されました。
 「教養・実力・慈愛のある音楽家の育成」を教育理念に掲げ、家族的な雰囲気の中で音楽の実力とともに豊かな人間性やグローバルな視野を育む教育を行っています。

―国際交流や地域との連携事業を積極的に展開しています。

 「音楽の力で希望と励ましを」と海外から多くの支援を受けた本学のご恩返しとして、アジア各地で音楽を通じた交流活動やコンサート収益金の寄付を続けています。2018年4月にタイ北部チェンライ、19年2月に東ティモールのイエズス会学校を訪問し、学生がクラシック音楽を演奏。聴衆の驚きや感嘆の声を上げる様子から、音楽の力を実感する貴重な体験となりました。
 昨年はコロナ禍で発表の場の中止が相次いだものの、子どもたちに向けた演奏会、高校との連携授業や出前授業、県や市の主催イベントでの演奏など、地域に根差した音楽活動も大切にしています。

―コロナ禍での学内対応は。

 音大生にとって日々の鍛錬とその成果を発表する演奏会は重要です。自宅で練習できない楽器も多いため、緊急事態宣言下でも制限を設けて学内施設の使用を認めました。同時に、返還不要の奨学金制度の創設、全学生への支援金支給、家賃補助、アルバイト減収補助など学生の生活支援にも力を注ぎました。
 昨年6月以降は、地元企業と共同開発した「レッスン用パーティション」を各レッスン室に準備。このほか、歌唱用マスクなどを活用し、ほぼ通常通りの授業体制に戻しました。10月には定期演奏会が無事に開催でき、格別の思いがあふれました。

―今後の抱負を教えてください。

 コロナ禍で多くの人が苦しむ今こそ、音楽の果たす役割は大きいはず。収束状況を見極めながら、しっかり目に見える活動をしていきます。


10月定期演奏会風景
概要
大学名エリザベト音楽大学
所在地〒730-0016
広島市中区幟町4-15
Tel 082(221)0918
設立1948年4月
学部・学科音楽学部・音楽文化学科、演奏学科
大学院大学院音楽研究科 修士課程 博士後期課程
取得できる資格中学校教諭一種免許状、高等学校教諭一種免許状、小学校教諭二種免許状、幼稚園教諭一種免許状
ホームページhttp://www.eum.ac.jp

企画・制作/中国新聞社地域ビジネス局
※2021年中国新聞元旦号に掲載したものです。