中国新聞LEADERS倶楽部
2020年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る

洋上風力で売電事業本格化へ

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代表取締役 奥原 征一郎 (おくはら せいいちろう)

—売電事業に乗り出します。

北九州市若松区の沖合で、風車を海に立てる着床式の洋上風力発電事業を計画しています。固定価格買取制度(FIT)により、1万2千キロワットの売電権を取得し、得られたクリーンエネルギーを電力会社に売電していきます。環境省が所管する投資ファンド「グリーンファンド」の協力の下、地元企業や売電事業者と特定目的会社を設立し、2023年春頃に売電を開始する予定です。総投資額は70億円、年間売上高は10億円を見込んでいます。

—風力発電事業における課題は。

建設コストの削減です。当社は昨年9月にスペイン領のカナリア諸島を訪れ、エステイコ社の伸縮式コンクリート製タワーの技術「エリーザ」の実証状況を視察し、提携を行うことで合意しました。この技術の活用で大型の起重機船が不要となり、大幅なコスト削減が期待できます。

—新法により時代が変わろうとしています。

洋上風力発電を促進する法律「再エネ海域利用法」が昨年4月に施行され、発送電分離も今年の4月に始まります。国は、電力全体に占める再生可能エネルギーの比率を現在の16%から30年に22〜24%まで引き上げる計画を掲げ、将来の主力電源と位置付けています。このような時代の変化の中、国内の風車メーカー3社が生産を取りやめ、風力発電機の全てを海外に依存することになりました。しかし欧米の大手メーカーは大量発注のみの対応で、小規模事業者には厳しい状況となっています。このような状態からの脱却を目指すことが喫緊の課題です。

—未来への挑戦が続きます。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のバージ型実証研究で得た知見を活用し、浮体式洋上風力発電において1キロワット時あたり15円を下回る技術の確立を目指します。さらに、欧州のエンジニアリング企業と協業し、主要部品を国内で調達する純日本製の風車メーカーへと進化することが目標です。また、中国の風車メーカーとタイアップし、一部に日本製部品を取り入れた風車の市場投入も進めています。

2月26〜28日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される第8回国際風力発電展に出展します。ぜひご覧ください。

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エステイコ社製伸縮式タワー視察の様子(スペイン領カナリア諸島)
概要
社名株式会社グローカル
本社所在地〒737-0046
呉市中通2丁目6-6
Tel 0823(21)6660
設立2013年4月
事業内容
  • 大型風力発電機の製造、販売、設置及びメンテナンス
  • 浮体洋上風力システムの製造、販売、設置及びメンテナンス
  • レストランの経営
資本金2450万円
売上高10億2700万円(2019年3月期)
従業員数48人(2019年3月現在)
支社・支店・工場東京支社、北九州営業所
ホームページhttp://www.glocal-net.com/index.html