中国新聞LEADERS倶楽部
2019年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る

充実の船種で受注拡大に対応

photo
代表取締役社長 神原 宏達 (かんばら ひろたつ)

―造船業界の動向は。

2020年に始まる硫黄酸化物(SOx)の全海域排出規制に向け、業界各社が新設計の船型開発に取り組む中、当社は今年、海外拠点も含めて約50隻を建造する予定です。新開発船は当社のグループ海運会社、神原汽船(福山市)が所有します。運航状況やデータをフィードバックし、後継船の改良につなげることができるのが当社グループの強みです。

―造船、海運業界は緩やかに回復しているようですね。

造船事業で主力のばら積み貨物船は16年をボトムに受注が低迷していましたが、昨年から回復傾向にあります。2800個積みコンテナ運搬船や原油タンカー、石油精製品運搬船のプロダクトタンカーなどの多船種を建造し、市況の変化に強い企業体質への転換に努めています。一方で、原材料の鋼材価格が上昇する環境下、慎重に価格交渉を行いながら、中型船を中心に受注拡大を図っています。

―非造船海運部門の取り組みは。

環境事業はリサイクル分野を中心に、国内外で事業拡大に取り組んでいます。海外ではタイ、ベトナムに続き、昨年マレーシアに進出し、銅やアルミなどの有価金属を回収して販売する事業を始めました。ライフ&リゾート事業はリゾートホテル「ベラビスタスパ&マリーナ尾道」と、マリーナを発着するクルーズ旅客船「ガンツウ」の認知度向上を図っており、今後の利用増に期待しています。遊園地「みろくの里」(福山市)は今年3月で開園30周年を迎えるにあたり、記念企画を検討しています。

―人材確保の状況はいかがですか。

今年の新卒採用はグループ全体で70〜80人規模の予定です。事業領域の広さや海外での事業展開に魅力を感じる人に入社してもらい、グローバルに活躍してほしいと考えています。

またフィリピンと中国の現地造船拠点から定期的に研修生を受け入れるなど、海外人材の育成に注力し、現地採用で育成した幹部に、現地子会社の社長を任せていく方針です。

今後もグループ各社の連携で、経営基盤の強化に取り組むとともに地域の発展に貢献していきます。

photo
常石全景
概要
社名ツネイシホールディングス株式会社
本社所在地〒720-0393
福山市沼隈町常石1083
Tel 084(987)1111
創業1903年
事業内容祖業の海運や中核の造船に加え、環境、エネルギー、ライフ&リゾートの五つの事業セグメントにおいて、グループ経営資源の相乗効果を発揮し、事業の多角化やグローバル化を進めることにより、経営基盤の安定を中長期的な視野で図っています
資本金1億円
売上高1821億円(2017年12月期)※グループ連結
従業員数約4000人(2017年12月現在)
グループ拠点日本、フィリピン、中国、パラグアイ、シンガポール、オランダ、インド、タイ、ベトナム、ノルウェー、マレーシア
関連会社常石造船、神原汽船、ツネイシカムテックス、ツネイシCバリューズ、ツネイシLRなど
ホームページhttps://www.tsuneishi-hd.com/