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【どうなる大学入試2020】知ろう 推薦型・総合型入試<上>共通テスト導入 志願者が激増か

2020/5/31

 大学入試の「推薦」を志望する高校生は、そろそろ本格的に対策に取り組む時期になった。本年度の推薦入試は、来年1月の大学入学共通テスト導入をはじめとする大学入試改革の影響で受験生の安全志向が高まり、とりわけ「狭き門」となりそうだ。新型コロナウイルス感染拡大のため、入試日程や評価方法が変わる可能性もある。注意すべきポイントを全2回で探る。

 ▽高まる安全志向 コロナで日程・要件変更も

 これまで「推薦入試」「AO(アドミッション・オフィス)入試」と呼ばれていた方式は、入試改革の一環で、それぞれ「学校推薦型選抜」「総合型選抜」へと名称が変わる。

 ▽年々増す存在感

 二つの主な違いは、出願資格に学校長の推薦が必要かどうかだ。いずれも書類審査や小論文試験、面接などを課し、志願者の学ぶ意欲や適性、人物像を重視する点は変わらない。一方、今回の改革で文部科学省は、共通テストや小論文などで学力を評価することを必須化した。学力を把握せず面接だけで合格させる大学が一部にあり、批判があったためだ。

 けん玉やダンスで合格―。推薦入試と聞くと、親世代の中には、かつて話題になった、特技で突破できる「一芸入試」を思い浮かべる人がいるかもしれない。しかし、スポーツや芸能、特定教科に秀でた一部の生徒たちが対象になるといったイメージは、今や過去のものだ。

 少子化が進む中、入学者を早期に囲い込みたい大学側の思惑を背景に定員が拡大。文科省によると、推薦・AO入試による入学者は2019年度、全体の46・7%も占めた。入学ルートとしての存在感は年々増している。

 本年度の推薦・総合型は特に受験生の人気を集めそうだ。進学情報誌を発行する旺文社(東京)の教育情報センターは「共通テスト初年度で志願者が激増する」と予想する。共通テストの結果が合否を大きく左右する一般選抜を避け、早めに合格を決めたいという受験生の安全志向が高まるとみるからだ。

 ▽最新情報 注視を

 感染拡大の影響も避けられない。そもそも入試改革により、総合型の出願時期は現行の8月以降から9月以降となる。秋を中心に実施される予定だった入試は、さらに繰り下げられる公算が大きい。休校の長期化で高校生の活動は制限され、スポーツ大会や英語の検定試験なども軒並み中止になったことが影響している。

 萩生田光一文科相は4月の記者会見で、出願書類を作成できないケースを念頭に「募集を遅らせる必要がある」と発言した。国立大学協会などが検討を進めている。

 評価方法が従来と変わる大学もありそうだ。文科省は大学側に受験生への配慮を要請。休校時の努力も含め、総合的に意欲を評価するよう求める。一部の私立大には既に出願要件を見直す動きが出ている。大会記録などの評価対象期間を広げるといった対応だ。また、面接がオンライン化される可能性もある。文科省や各大学が発信する最新情報を注視したい。

 共通テスト導入に感染拡大が重なり、受験生は今、かつてない混乱の渦中にいる。その中で取り組むべき対策は何か。次回(8日掲載予定)は大手予備校などの助言を紹介する。(奥田美奈子)

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