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【どうなる大学入試2020】知ろう 推薦型・総合型入試<下>本番に備え 注意点は

2020/6/7
「社会で将来、さまざまな分野の一線で活躍する意欲のある人材を期待する」と語る永田センター長

「社会で将来、さまざまな分野の一線で活躍する意欲のある人材を期待する」と語る永田センター長

 ▽広島大高大接続・入学センターの永田センター長・河合塾広島校の高木校舎長に聞く

 大学入試改革1年目となる本年度の大学入試。初の大学入学共通テストへの警戒感から志願者増が見込まれる学校推薦型選抜(旧推薦入試)、総合型選抜(旧AO入試)は、新型コロナウイルスの影響を踏まえた対策も必要になる。広島大高大接続・入学センター(東広島市)の永田純一センター長、河合塾広島校(広島市南区)の高木里佳校舎長の2人に準備の進め方や注意点を聞いた。

 ▽受験準備の前に 早く志望校決め計画を

 志望理由書や小論文、面接などで志願者の人物像や学ぶ意欲を評価する推薦・総合型。総合型は早ければ9月に、推薦型は11月に願書の受け付けが始まる。できるだけ早く志望校を決めて対策に取り組みたい。

 推薦・総合型に挑めば、不合格になっても、その後に一般選抜を受けることで第1志望校の受験機会を増やせる利点もある。ただ高木校舎長は「推薦・総合型は準備に多大な労力がかかる。どの入試方式で挑むかは慎重に考えて」と助言する。志望理由書の準備、小論文や面接の練習と並行して、教科の学力勝負になる一般選抜の対策を進めるのは大変だからだ。

 推薦・総合型で不合格になった場合、気持ちを切り替え、一般選抜に向けて各教科の学習に全力で取り組まなければならない。出題傾向が大学入試センター試験から変化する共通テストを避け、早めに合格を決めたい―といった安易な考えで推薦・総合型を選ぶのは禁物だ。

 ▽対策のポイント 大学の方針把握が重要

 大学は、どんな生徒を求めているのだろう。「推薦・総合型は、各大学の方針と、志願者の資質や目指す方向性がマッチしているかを見る入試」と永田センター長は強調する。

 推薦・総合型を「光り輝き入試」と名付ける広島大。求めるのは将来、国内外のさまざまな分野の一線で活躍する意欲のある人材だという。

 面接などでは、単なる「長所アピール」に終始しないよう気を付けたい。自らが大学側の求める人材とマッチしているかを論理的に説明し、納得してもらうという視点が重要だと永田センター長は指摘する。

 そのために、大学が必ず策定する三つの方針を読み込むことを勧める。アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)▽カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)▽ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)―の三つ。入学者に求めるものや、大学が提供する学びの内容などが示されている。その上で志望学部・学科の教育や研究の内容を調べ、学問に対する考えを深めるよう求める。

 「数学が得意だから数学科に行きたいといった理由だけでは不十分。自分なりの意見、考察を面接などでぶつけてほしい。試験官は皆、その道の専門家。独自性があり、きらりと光る発想があれば気付く」

 ▽コロナ対策 プロセス評価、情報も鍵

 本年度の大学入試は感染拡大の影響が直撃する。アピール点になるはずだった部活動の大会出場や留学、ボランティアといった活動は大きく制限される。入試日程や評価方法の変更も予想される。

 永田センター長は「大会成績などの到達点だけでなく、プロセスも評価するのが推薦・総合型の特徴。コロナ禍の中で入試時期までに何を考え、できることをどれだけやったのかを見たい」と語る。

 「正しい情報を早く入手し、対応できるかが本年度の入試の鍵。大学が発信する情報に十分気を配りたい」と高木校舎長。「入試までに積み重ねた努力が問われることに変わりはない。今できることをしっかりやろう」とアドバイスする。(奥田美奈子) 

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  • 「どの入試方式を選ぶかは慎重に判断を」と助言する高木校舎長

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