学力アップなび
【第2回】ポイント 何を書くべきか 答えは設問文に 駿台予備学校 池尻俊也講師
初めまして。駿台予備学校講師の池尻俊也と申します。これから約1年間、皆さんに小論文答案作成のこつをお伝えします。共に頑張っていきましょう!
よくこんな声を聞きます。「そもそも、何を書いたらいいのか、わかりません」
もっともな不安ですね。でも、その答えは設問文に書かれているのです。設問の要求に従って書いていくことが、合格答案作成への第一歩なのです。
今回の問題で求められているのは以下の3点ですね。
(1)記事の要約(約200字)
(2)プラスチックごみを減らす実践について提言
(3)記事の事例は用いない
以上の要求を理解すれば、書くべき内容や方向性は自然に定まってきます。
最も重要なのは「プラスチックごみを減らす」という点です。レジ袋やその有料化は問題の表面的な部分であって、ここでは「プラスチックごみ」について書くことが求められています。したがって、「レジ袋」以外のごみ、たとえばペットボトルやストロー、あるいはプラスチック一般について書く必要があります。この点は要求(3)がヒントになっています。
次に重要なのは「実践」が求められている点です。「意識を変える」「個人が責任を自覚する」といった抽象的な意見ではなく、実践、つまり具体的な取り組みや制度作成などの提案が求められています。たとえば、学校での活動であったり、法整備であったり、技術開発や活用などです。
これらについて「提言」する、つまり、筆者の意見をなぞるのでもなく、単純に賛成・反対を示すのでもなく、具体的なあなたの意見を提示すればよいのです。
このように設問の要求を丁寧に読めば、書くべき内容はおのずと定まります。このこつさえつかめば、最初に示した不安は解消されるはずです。今後の答案作成で実践してくださいね。
いけじり としや 広島大医学部「ふるさと枠」の合格者を多数指導。高校教員に指導法を講習。
次の記事を読み、内容を200字程度にまとめた上で、命の重みについて意見を計800字以内で述べなさい。
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