学力アップなび

【第4回】講評 さあ、議論を始めよう 特別編集委員 江種則貴

2020/11/3 17:03
江種則貴・特別編集委員

江種則貴・特別編集委員

 今でこそコロナ禍のため、街角で外国人観光客を見掛けなくなりました。それでも、いや応なくグローバル化が進む現代です。異国の友人がいたり、家族旅行や留学で海外の地を踏んだりと、きっと皆さんは多様な異文化を体験済みだろうと思っていました。

 ですから今回、さまざまなエピソードを半ば楽しみにしていたのですが、具体的な体験談は圧倒的に少なかったのです。

 「人種差別」という重いテーマに引きずられ、こちらが思っていた以上に、皆さんは難しく考え過ぎたのかもしれません。

 さて、解答例の矢冨さんは、差別の要因を「相手を自分のイメージで理解しようとするから」と分析してくれました。そう、その通りですね。

 続いて異文化理解のために「認め合い、知る」大切さを指摘します。確かにそうなのですが、ここはまず相手を知り、そして認め合う、といった順序で論じた方が素直でしょう。

 最後の段落は申し分ありません。「意見を交流してみよう。自分にはない新たな視点をもつことができるはずだ」

 これは差別の問題に限りません。仲のいい親友であれ、意見はむしろ違って当たり前。皆さんも、自分を主張するだけでなく、相手の意見にじっくり耳を傾ける大切さに、とうに気付いていることでしょう。

 多様性に寛容な社会を築く鍵は、大坂なおみ選手も話すように、「議論を始めること」なのです。

 えぐさ・のりたか 原爆・平和問題などを取材。論説主幹、編集局長を経て、コラムを執筆中。

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