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【どうなる大学入試2020】首都圏受験、悩む地方 4都県再び緊急事態、感染恐れ地元志向に拍車

2021/1/11 22:03

 新型コロナウイルスの感染急拡大で首都圏1都3県に緊急事態宣言が再び出されたのを受け、宣言対象地域の大学を目指す広島県内の受験生や高校に戸惑いが広がっている。各大学は予定通り個別試験を実施するとしているが、変更の可能性もあるとしてホームページ(HP)などで最新情報に注意するよう呼び掛ける。政府は11日、京都、大阪、兵庫の関西3府県にも宣言を出す方向で調整に入った。感染の懸念から都市部の大学を敬遠する動きもあり、受験生の地元志向に拍車が掛かりそうだ。

 ▽広島「試験の形注視」

 「個別試験がどんな形で行われるのか、ぎりぎりまで注視する必要がある」。首都圏の大学を志望する生徒が多いノートルダム清心高(広島市西区)の中路隆行教頭は頭を抱える。

 政府が宣言を出す検討を始めてから、生徒から入試への影響を心配する声が相次いでいるという。「生徒には試験勉強に集中させてやりたいが、受験日程の組み立てに例年以上に気を使わないといけない」

 ■多くは予定通り

 首都圏の宣言期間に入った8日、文部科学省は16日からの大学入学共通テストを予定通り実施すると正式に通知。2月25日から2次試験を行う国公立大、同1日から順次、一般選抜を始める私立大に感染対策を徹底して試験を行うよう要請した。全国知事会には、受験生を移動自粛の対象外とする配慮を依頼する文書を出した。

 各大学は感染状況に急激な変化がない限り、個別試験を実施する構えだ。多くは宣言発令前後、それぞれのHPで予定通り行うと告知。早稲田大は6日、「安心して受験してください」との田中愛治総長のメッセージを掲載した。

 一方、試験内容を変更する動きも出ている。東京外国語大は同日、前期日程の変更点を発表。より多くの受験生が日帰りで受けられるよう、試験開始時間を午前から午後に繰り下げた。

 ■私大出願7割減

 コロナ禍の受験は、出願動向に大きな変化をもたらしている。AICJ高(広島市安佐南区)では、私立大の出願件数が例年から約7割も減った。国公立大を第1志望とする生徒が本番前の感染を避けるため、出願先を絞っている影響という。

 駿台予備学校広島校(東区)は「本年度の模試の分析結果から地元志向の高まりは顕著」とする。地元大学や、広島県内に試験会場を設ける県外の私立大に出願するケースが目立つという。遠隔授業の広がりで遠方の大学への進学を再考する受験生もいるとみる。

 同校の泉尾淳太・教務マネージャーは「感染状況が悪化すれば個別試験を中止し、共通テストの成績だけで合否判定する大学が出る可能性がある。受験校の最新情報に注意し、共通テストに全力を尽くしてほしい」と助言している。(奥田美奈子) 

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