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「基町中華街」が口コミで熱い 広島市中区

2019/7/31
本場の中国料理を目当てに人が集まる基町ショッピングセンター(撮影・安部慶彦)

本場の中国料理を目当てに人が集まる基町ショッピングセンター(撮影・安部慶彦)

 広島市中区の商店街「基町ショッピングセンター」内に中国料理店が相次いでオープンし、人気を集めている。切り盛りするのは近くの高層アパートに住む中国人や中国残留邦人の家族たち。「うまい・安い・ボリューム満点」の三拍子がそろい、グルメなお客もうならせる。一帯には総菜店や食材店も開業し、ちょっとした「中華街」の雰囲気だ。

 3店ある中国料理店の目印は、店の軒先につるした赤い灯籠。本場仕込みの味と多彩なメニューが魅力で、平日の夜も客が絶えない。日本人はもちろん母国の味を求める留学生たちも多い。店内では中国語が飛び交い、中国の街角に入り込んだような気分になる。

 「基町中華街」の評判は口コミで広がり、廿日市や呉からも客が訪れる。築40年以上の商店街はシャッターを下ろした店も目立つが、新たな人の流れが生まれている。

 商店街の南側にある「四季」は、3店の中で最も早い6年前の春に開店した。店長の上條俊偉(しゅんい)さん(33)は祖母が中国残留邦人で、中国東北部の黒竜江省から1993年に来日。広島市内の料理専門学校を卒業し、中国で修業した。店では豪快で食べ応えのある東北料理の腕をふるう。

 メニューは100品以上に上る。自慢は、薬味を加えコトコト煮込んだ「鶏肉とキノコの煮込み」。家庭料理の定番「トマトと卵の炒め物」はシンプルな素材を生かした優しい味付けだ。

 中国料理といっても、地域によってさまざまだ。2年前にできた「王家」では、四川料理と山東料理を中心に出す。日本ではあまりお目にかかれないメニューも体験できる。カモの血と牛の胃袋などを唐辛子や花椒(かしょう)で煮込んだ毛血旺(マオシュエワン)や、羊の背骨の肉を特製スープで煮込んだ「羊蝎子(ヤンシエーズ)鍋」はしびれる辛みでやみつきになる。

 店長の王文秋さん(48)は「日本人向けにアレンジしていない本場の味を楽しんでほしい」と話す。

 中国では通勤や通学途中に朝食を外で済ませる人が多く、屋台が路上に並ぶ。そんな朝の雰囲気を感じられるのが、大連出身の夫婦が今春から営む「品香(ピンシャン)食坊」だ。

 3店の中では唯一、朝7時半から10時まで朝食を提供している。中国式の細長い揚げパン「油条」や、ふわっと軟らかい豆腐にしょうゆ味のあんかけスープを絡ませた「豆腐脳」が一押しという。夜は、中国北部でよく食べる羊肉料理など100品近くを用意する。

 料理店以外で人気なのは中国総菜店「吉味(ジーウェイ)」。味付け豚足や豚耳のラー油漬けを買い込む常連客が多い。中国食材を扱う店や中国人が営む青果店もオープンした。商店街を歩いてお気に入りの店を見つけてみてはいかが?(ラン暁雨)

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  • 中国人と日本人の客が肩を寄せ合う「王家」の店内
  • 常連客でにぎわう「四季」の店内

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